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住んで良かった、住み続けたいと思うマンションを目指して

※マンション管理のしくみ(標準管理規約基本モデル)


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◎管理組合
区分所有法第三条(区分所有者の団体)
第三条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。
 この条文に基づき、「管理組合」「集会」「規約」「管理者」に関する規定が整備された。
 更に、「理事会」「理事・理事長・監事」などの規定も「標準管理規約」において設定された。

マンションの管理組合は、区分所有者の意思を反映しながら組織的に、また継続性を持って行う必要があります。
マンションの専有部分に関しては、当然に区分所有者が、自己の責任と負担で管理しなければなりませんが、共用部や敷地については、区分所有者全員の共有財産であるため、区分所有者全員が一定のルールに従って協力して管理しなければなりません。
そのため、マンションの維持管理をスムーズに行うために構成される団体が「管理組合」なのです。

条文のとおり、区分所有者関係が生じた瞬間から管理組合は成立し、区分所有者はその意思に関わらず構成員になります。
当然ながら譲渡や相続によって区分所有者となった人も組合員となり、売却等で区分所有者でなくなった場合は自動的に組合員の資格もなくなります。
したがって、区分所有者である限り管理組合から脱退することはできません。
『管理組合とは』区分所有者の、 区分所有者による、 区分所有者のための団体 なのです。

・分譲マンションを購入すると“部屋の専有部分の所有権”を有する『区分所有者』となります。
そしてその『区分所有者』全員が“建物・敷地および附属施設の管理を行うため”に構成するのが 『管理組合』です。
これは、希望するしないの有無に関わらず、法律上当然、組合員になるものとされています。
購入してそのマンションに居住する方はもちろん、購入して別の場所に居住されている方も「管理組合」員となります。
賃借入居者は「管理組合」員ではありませんが、利害関係のある場合に限り意見を述べることはできます。

・マンションの区分所有者は、専有部分とともに共用部分の管理も行います。
つまり、マンションの管理の主体は区分所有者全員であって、その管理を有効適正に行うために必要となってくるのが「管理組合」という団体です。
そして、管理組合は、マンションを管理し、マンションの資産価値を維持保全し、そこで居住する者がお互いに快適な生活をするためにはなくてはならないものです。
 管理組合は区分所有者全員で組織され、区分所有者全員が入ることになっています(区分所有法3条)。
マンションを購入し区分所有者となった人は、当然に管理組合の構成員となり、加入を拒否することはできません。
その意味で、「管理組合の成立は人為的なものではなく自然発生的なものである。」ということができます。

○「マンションの共有とは」
 マンションというものは、「共有部分」と呼ばれる玄関、廊下、屋上、集会所以外の「専有部分」と呼ばれる居住者が住む部分も、事実上「共有」されているのです。
例えば、マンションの躯体部分を阻害するような部屋のリフォームは許されていません。
マンションというものは1棟単位で成り立っているのであって、各部屋というのは「概念上独立」しているに過ぎないのです。
つまり、不動産としての本来の価値は、各部屋ではなく、マンション1棟で考えるべきなのです。
そして、このマンション1棟の財産価値を決めるのに決定的役割を果たすのが「管理組合」なのです。

*マンションの管理組合とは?
分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有法にもとづいて、区分所有者全員で構成された団体を設立することが定められています。この団体が管理組合です。つまり、管理組合の構成員が区分所有者です。
管理組合の役割と目的は、建物の共用部分や敷地を維持管理することです。
区分所有法には、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる」(第3条)と規定されています。
したがって、管理組合は区分所有者の意見を十分に反映し、継続的に運営されなくてはなりません。
とくに、経理においては健全な会計が確保されることが求められます。
ただし、マンションの管理は専門的業務が多く含まれることから、管理業務の一部またはすべてを管理会社などに委託して行うことが認められています。
しかしその場合でも、管理組合がマンションの管理の主体であることに変わりはありません。

○管理組合の役割
マンションの管理組合とは、「区分所有者が全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(区分所有法第3条)」です。
管理組合の仕事は、マンションという大切な共有財産を維持管理し、組合員の快適な暮らしを確保することです。
その目的のために、組合員から集めた管理費や修繕積立金を管理し、マンションの日常的な管理や保守修繕、長期修繕計画の策定や変更といった業務を行っています。
管理費の滞納者に対応したり、組合員同士のトラブルを調整したりするケースもあります。

ただし、通常は業務の多くを管理会社に委託しており、理事は管理会社への連絡や業務に対するチェックなどを行います。
組合員にとってマンションは、生活の場であると同時に大切な資産。
「マンションの資産価値は管理の質によって決まる」ともいわれるほど、管理は大切なものです。
管理会社に丸投げするのではなく、住民が当事者意識を持つことが、資産価値の維持・向上につながります。

マンション総合調査によれば、マンション居住世帯主の年齢は60歳以上が半数を占め、60%以上の区分所有者が「永住するつもりである。」としています。
そのためには、言うまでもなく、毎月の管理費収入、修繕積立金収入等に裏付けられた、マンションの適正な維持管理が欠かせません。

○マンション管理の主体は「管理組合」です。
マンション管理の主体はあくまで「管理組合」であり、構成員はマンションを購入された方たちです。
共同で資産価値を維持していく努力をすれば、良好なコミュニティや、やりがい等が生まれてきます。
役員だけでなく、居住者全員が自覚、認識することが重要です。
つまり、全員の共有財産を守り、快適な共同生活をおくるための組織(住戸の持ち主の集まり)が、マンション管理組合です。
マンションを購入した人は、必ずマンションの管理組合に入ることになり、マンションの区分所有者である限り管理組合を抜けることはできません。
組合員から選ばれた管理組合の代表者のことを役員(理事)といい、役員が事業計画に基づいて組合運営を行うための執行機関が理事会とな ります。
理事会には、理事長、副理事長、理事を置くこととされ、月一回程度の周期で開催し、組合員のために誠実にその職務を遂行することが求められます。

管理組合は、快適で良好なコミュニティ作りも含めて、共同で資産価値を維持していく努力が必要です。
また、その組合に応じた規約・細則作りが必要になります。
しかし、一括管理として管理会社に委託しているのが現状です。
理事会・管理組合としては、適切な管理会社を選び、業務監査・会計監査をしっかりとして、マンションコミュニティ作りや、よりよいマンションライフの向上に努めることが重要です。

○マンション管理組合の業務内容
管理組合とは、分譲マンションの購入者(以下、「区分所有者」という)にて組織される団体です。
これはマンションに関する特別法である区分所有法で設立が義務付けられており、区分所有者は必ず加入しなければなりません。「私は自分で管理するので加入しません」という訳にはいきません。

活動の主な内容は、マンションの維持・管理です。
マンションは自身の部屋内である「専有部分」と、それ以外の廊下やエントランス、エレベーターや駐車場等といった「共用部分」に分けられます。
管理組合は主にこの共用部分について、清掃や修理、更新等の管理を行い、居住者が快適に過ごせるように、さまざまな改善に取り組みます。

管理組合の実際の運営は、「理事会」という区分所有者の中から選出された代表者数名のグループによって進められます。
選出方法は管理組合ごとに異なりますが、よくあるのは抽選もしくは輪番制です。
検討案件の数によりますが、数ヶ月に一度から、場合によっては月1,2回のペースで会議を行い、マンション全体に関する情報共有や懸念事項、清掃や点検結果の確認や修繕工事の実施検討、管理費・修繕積立金の会計管理を行っていきます。

これらを年間通して行い、最後に「通常総会」を開催します。
マンションの区分所有者たちに向けたその年度の事業報告と次年度への計画説明を行い賛否を問うのです。
これが無事終了すると、会計年度における一連の業務が完了します。

通常総会と理事会の普段の業務の役割ですが、マンション管理・運営の大枠を通常総会で決め、運営の詳細は理事会に一任するという形が一般的なようです。
その後は、管理規約の任期が1年の場合はこれにて交代、複数年の場合は継続して運営していくことになります。
また、補欠の理事の選任や緊急な設備の改修など、重要な議案があるときには、必要に応じて「臨時総会」を開催します。

○管理組合の業務内容は、マンションの住人である区分所有者の目線で見ると、「理事会として運営に携わる場合」と「一区分所有者として携わる場合」の2つに別れます。

・一区分所有者として携わる場合
日常的な業務は特にありません。
「通常総会」時に、理事会が提出する議案に対し賛否の意見を表明し、管理の方針決定に関わります。
それ以外で参加するケースとしては、理事会が居住者の意見を聞くためのアンケートの返答や、大規模修繕工事等専門的な分野を検討する際に、その専門家が居住者の中にいた場合、オブザーバーとして参加するケースがあります。
いずれにせよ、マンションは区分所有者の共有財産であるため、運営に直接携わらなくとも常に関心を持ち意見を発することが重要です。

・理事会として携わる場合
何らかの形で理事会メンバーとして携わることとなった場合、前述のとおり基本的には一年間を一連の業務として、マンションの維持管理を行い、ひいてはマンションの資産価値を向上するように努めることが重要です。

○マンション管理組合員の権利と義務
マンション管理組合とは、分譲マンションを購入した人(区分所有者)で構成された、そのマンションを管理するための組合組織です。
区分所有者になると自動的に管理組合員となり、住戸を売却するなどして区分所有者でなくならない限り、組合を脱会することはできません。
組合員になれるのは一区分につき1人であり、所有者の家族などの同居人や、所有者から住戸を借りて住んでいる賃借人は組合員になることはできません。
なお、1人で複数の住戸を所有している場合であっても、区分所有者は1人なので、組合に入れるのはその人一人ということになります。
ただし、管理組合の総会に当たっては、所有している住戸分の議決権数がその組合員1人に与えられます。
委託費と積立金の分担は、戸数で単純に分担している場合と、床面積に比例して分担している場合があります。
規約で決まっています。

○マンション管理組合の目的と役割
すべての組合員の大切な共通財産であるマンションを維持管理することが、管理組合を組織する目的です。
マンション管理組合は、全住戸の区分所有者で構成された自主管理組織です。
「自主管理組織」とは、区分所有法の第三条より、自分たちの住んでいる建物および敷地の管理および運営は、区分所有者全員の判断と責任において行う「住民自治」を前提としています。
管理会社に委託していたとしてもすべての決定権は管理組合にあります。

マンションには、各区分所有者の固有財産である専有部分(住戸)と、全ての所有者(組合員)が共有している財産である共用部分があります。
マンション管理組合の主な役割は、これら共用部分を維持管理し、全住民が快適に暮らせるマンションにすることで、マンション全体の価値を維持し高めることにあります。

組合員はその活動を支えるために、管理費や修繕積立金を負担し、管理組合はマンション管理会社と契約を結んで、実際のマンションの管理業務を管理会社に委託したりします。
また、マンション内でのペット飼育やゴミの出し方など住人が守らなければならないマンション内のルールや、駐車場の使用料金などを決めるのも管理組合の役目です。

・共用部分とは、建物の廊下やエレベーター、非常階段、エントランスといった部分、給排水や電気やガス配管などの設備、集会室や駐輪・駐車場、ゴミ置場などの附属施設、さらにマンションの敷地など住戸以外の全てのことです。

○管理組合の法的性格
 区分所有者は、マンションの分譲により区分所有関係が成立すると同時に、区分所有法上、当然に、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うため、全員が参加する団体を構成することとなります(区分所有法3条)。

 この団体の法的な性格については、区分所有法では特に定められていないが、通常は、同法に基づき、集会、規約、管理者等に関する運営がされていれば、いわゆる「権利能力なき社団」に該当するとされています。
 そして、通常、このような区分所有者で構成される団体を「管理組合」と呼んでいます。

○管理組合は、一般には最高裁のいう団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ構成員の変更にかかわらず
 団体が存続し、その組織において代表の選任方法、総会の運営、財産の管理等、団体としての主要な点が確定
 (主に規約上)しているならば、いわゆる「権利能力なき社団」に該当し、各種法的権限が与えられる。

○管理組合とは「区分所有者が全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(区分所有法第3条)」のこと。
日常の様々な業務、例えば共用部の清掃や設備の保守点検などは管理委託契約に基づいて管理会社が実施するが、その管理会社に指示をするのが管理組合なのです。
ですからマンション管理の主体は管理組合であり、管理会社の良し悪しは管理組合如何と言えます。
全ての最終責任は管理組合が負います。

・RC造(鉄筋コンクリート造)等の共同住宅であるマンションに永く快適に暮らしていくためには管理組合による適切な維持管理の継続が前提となります。

○マンションの維持管理の主体は管理組合であり、管理組合活動の良否及び組合員の意識が区分所有者(組合員)の共有の資産であるマンションの価値(資産価値等)に大きな影響を与えます。

・分譲マンションを購入すれば、自動的にそのマンションの管理組合員となります。
そして、マンションの管理組合員として権利と義務が発生します。
管理組合の理事は、多くの場合輪番制で何年かおきに組合役員(理事)として選任されます。
「理事って労多くして実りの少ない仕事じゃないの」、というお気持ちが多くの方が共有されているのも理解できます。
しかし実際理事になってみて、マンションの問題に直面してみると、他人事ではない重大な意味が理解できるのもまた事実です。
管理組合活動が活発なマンションほど、きちんと管理が行き届き、築年数が古くなっても資産価値があまり下がらないというメリットがあります。
また、管理組合がしっかりしていると、管理会社に全てお任せではなくなるので、結果的に管理や修繕工事のコストを下げること も可能です。
各区分所有者が管理組合の活動に積極的にかかわることで、そのマンションはより暮らしやすく価値あるものとなり、全ての区分所有者・住民に大きなメリットをもたらすのです。

○管理組合運営の主体は管理組合を構成する組合員であり、その組合員達が組合活動に無関心であってはならない。
 それは責任放棄であり、マンションの崩壊に繋がります。
 人任せではなく、参加型の管理組合を継続して作り上げていかなければならない。
マンション管理組合の目的は、住み心地をよくすることと資産価値を上げることです。
マンションを購入した後も、管理組合の一員として、積極的にマンションの維持・管理に関わることが、安全で住み心地の良い住まい、マンションの人気、資産価値向上にもつながります。

○マンション管理組合の機能維持
マンション管理組合には、その活動を通してマンション住民としての自治意識が高まり、住民間の意思疎通や交流が活性化され、マンションに対する愛着が高まるという効果もあります。
不安定な都市の生活感覚から、コミュニティの中で役割を見出すと、しっかりと根を下ろしたような安定を手に入れることができます。
組合員や理事として管理に参加すると、共用部分の維持管理や、マンション管理規約・使用細則の制定や変更等マンションのルールの整備が、まさに他人ごとではなくなります。

もし、マンション管理組合が機能しなければ、建物や設備や附属施設の点検、清掃、修繕等が疎かになって、マンション全体が荒れてしまい、老朽化も早く進んで、結果的にマンション自体の価値が下がってしまいます。
また管理組合が機能しなければ、マンションの共同生活における自主的なルール作りができないので、各住民は好き勝手に振る舞い、マンションは無法地帯と化してしまいます。
そうなると、良識ある住民はそのマンションから去っていき、問題がある住民ばかりが増え、空き住戸が出ても買い手が見つからないなど、やはりマンションの資産価値が低下してしまうのです。
このような空洞マンションにならないためにも、マンション管理組合に積極的に参加し、自らの役割を果たさなければなりません。

○新たな管理組合の業務体制・運営のあり方
 高度経済成長期の頃より大量供給されてきたマンションの高経年化が進行するとともに、区分所有者の高齢化や賃貸化(借家人等所有者以外の居住者の増加)・空室化等も進行しています。
 又、計画的な大規模修繕や老朽化等により臨時に発生する修繕や、耐震性の不足したマンションの耐震改修あるいは老朽化マンションの建替えなど、専門性や多額の資金が必要な事項が増加しますが、管理組合内部では、役員のなり手不足、管理費又は修繕積立金の滞納等の増加による収支状況の悪化等の問題に直面しつつあります。
 更に、新築でも高層化・大規模化など物件の多様化が進み、より高度で複雑な管理が求められる場合が出てきています。
 このような状況を踏まえ、管理組合の業務体制・運営のあり方について国全体で検討が始まっています。
 個々のマンションでも、時代に沿う、新たな取組・創意工夫が強く求められています。

○社会的弱者への対応
社会的弱者とは身体的にも精神的にも傷つきやすい人達です。女性、高齢者、子ども、障がい者等々です。
皆が安心して暮らせる安心安全なマンションづくりがマンション管理の基本と考えます。
 「バリアフリー社会」「女性の社会進出」「少子化、育児」など現代の課題に対応した“住民に優しいマンション”が今求められています。

○団地の特質
 一般的に団地では複数の管理組合が併存することになります。
 棟が複数存在する大型団地など、1棟ごとの「棟別管理組合」と団地全体(団地内、小公園・緑地・路地等)を管理する「全体管理組合」が併存します。
 この場合、それぞれの管理組合は管理する対象が異なるだけで、管理組合の上下関係はないとされています。

○管理組合法人とは
 区分所有法3条により、区分所有者は、全員で、マンションの管理を行うための団体を当然に構成します(権利能力なき社団あるいは組合型団体)。
そしてこの団体が一定の要件を満たせば、一定の手続きを経て管理組合法人となることができます(区分所有法47条以下)。
・マンション管理組合を法人化するには、理事会での決議の後、総会で特別決議として可決する必要があります。
「管理規約の変更」や「法務局での登記の手続き」なども必要になるため、管理組合の法人化にあたっては、専門家の支援を受けることが望ましいでしょう。

 管理組合法人が成立すると、区分所有者の代理人である管理者(26条2項)に代わり、管理組合法人が区分所有者を代理し(47条6項)、理事がその管理組合法人を代表することになります(49条2項)。
このことから、区分所有法では、管理者に関する規定(25~29条)、規約等の保管等に関する規定(33条1項但書き)は管理組合法人に適用しないと定めています(47条11項)。
しかしながら、管理組合法人は、区分所有法上の区分所有者の団体(3条)が、その実質的同一性を失うことなく法人化したものですので、上記のように区分所有法上特別に定められているところを除いては、その運営のあり方につき法人格取得の前後で大きく変わることはありません。
 なお、管理組合の法人化のためには、区分所有者が2人以上いれば可能です(平成14年改正前の区分所有法では区分所有者数が30人以上の管理組合のみ法人格を取得できるものとされていました)(47条1項)。

◇管理組合運営の基本
 管理組合の自立的な運営は、マンション区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものであるため、情報の開示、運営の透明化等開かれた民主的なものとする必要があります。
 又、管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としてその役割を十分認識して管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要があります。

 これが、管理組合の自立的運営の基本です。
 管理組合として自立的運営を常に意識し目指すのが管理組合運営の基本と言えます。
 そうでなければ、管理組合は構造面だけでなく、資金面で困難に立ち至ります。
 それに対処するためには、今から、マンション管理について学び知識を得ることです。
 『マンションは私達の財産です、他人任せ・無関心では朽ちていきます。』

 現代のマンションとは
 安全で持続可能な社会資本(インフラ)であること、つまり環境と調和した持続可能な社会の実現に寄与すること。
 そのために、メンテナンスを重視した、充実した維持管理がなされていることです。

☆「マンションは管理を買え」と言われます。そして「管理を買え」とは質の高い管理ということです。
なぜなら、マンションの資金が足りない、清掃が行き届いていない、設備がメンテナンスされていない、そのような管理の質の低いマンションでは安心して暮らせません。
しかし、一方で質の高いマンションは管理費が高いとの不満もあります。

では本当に求めてられているものは何なのか、管理費コストと管理の質、どちらが優先するのか?
あるアンケートの結果によると、マンション管理に求めるものは圧倒的に質でした。
そして、その質の対価として求めているものとして、以下の意見がありました。

・ハイメンテナンスであれば、マンションの資産価値が下がらない
・セキュリティが高い。防犯対策がなされている
・マンションの清掃状態が行き届いている
・マンションの適切なメンテナンスで長く安心して住める
・雑な管理では、マンションの資産価値が下がる
・何かトラブルがあった時の24時間のサポート体制
・住居は安全快適に過ごせる必要がある
・ゴミ出しや清掃などの管理がよく成されていることがマンションのメリット
・安かろう、悪かろうであってはならない。

*管理費の対価として求める意見を集約すると、
・防犯・セキュリティ
・清掃や設備などマンションのメンテナンス
・住居(住民)に対するサポート体制
の3つでした。
特に防犯・セキュリティに関しては高いコストを払ってもいい、と考える方が多いようです。

管理のコストを優先するとの回答された方の意見の中身を見ると、出来るだけ「安いほうがよい」という意見が大半でした。
中には管理の内容を比較することが困難であり、「大手の管理会社だからそれほどサービスは悪くないはずだ」という意見もありました。
現状の金額が先に述べた「管理の質」に似合う管理費の対価であるかどうか。
結論としては、多くの方が、管理費は多少は高くとも管理が行き届いているマンションがよいとの回答でした。

マンションの前にゴミが散見されるようなマンションには、管理費がどれほど安かろうともほとんどの人が住みたくないはずです。
ただ、ここで注意が必要なのは、「高い管理費だから管理の質も高い」と盲目的に信じてはいけないことです。
なぜなら『管理費=管理の質』ではないからです。

例えば、マンションの定期清掃の回数が年12回もあるようであれば、過剰サービスです。
よく清掃されていると言えなくもないかも知れませんが、質が高いわけではなく、多く費用を取りすぎていると言わざるをえません。
エレベータの委託費が独立系会社に委託したにもかかわらず、メーカー系の会社並みの金額になっているケースであれば、それは中間マージンが高いことになります。
つまり、管理費をたくさん支払っているからその分良いサービスを受けられているとは限らない、ということです。

*まとめ
マンション管理に質を優先することは賛成です。
管理費は安いけれど暮らしにくいようなマンションであれば、それは本末転倒であると思います。
ただ管理費を多く払い過ぎてしまっているケースもあるので、その点はしっかりと見極めていくことが大事です。

◇理事会、総会とは
マンション内で起こる問題には、いろいろなものがあります。
問題の性質に応じて、管理組合は結論を出さなければなりません。
どのような考え方で、どのような決め方をすればよいのか、管理組合にとっては重要なことです。

区分所有者の意思を統一し決定するのが総会です。それを実施し、管理組合の業務を遂行していく機関が理事会です。
管理組合の役員
管理組合の組織は区分所有者全員を構成員とし、総会で決議された管理業務を執行する「理事会」、管理組合業務を監査する「監事」が置かれます。そして、理事や監事が管理組合の役員となります。
役員に関する事項については、区分所有法では特に規定されていませんので、通常は管理規約で定められています。

・区分所有法では「集会」となっていますが、国土交通省の標準管理規約では「総会」と称しています。

・区分所有法第35条(招集の通知)
集会招集の通知は、会日よりも少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができます。

・区分所有法第38条(議事)
集会の議事は、この法律または規約に別段の定めがない限り、区分所有者および議決権の各過半数で決する。
議決権は、書面で、または代理人によって行使することができます。

◎集会(総会)
(1)集会(総会)とは
管理組合の運営では、マンション管理に関する重要なことは総会で決定します。
マンション管理組合の総会は、年に一回の開催が義務付けられている通常(定期)総会の他、管理組合の運営上、重要な案件を決める臨時総会など、マンション管理組合の最高意思決定機関としての役割を担います。
 マンション管理における重大な事項(規約の設定、変更、廃止、管理者の選任、解任、共用部分・敷地の管理に関する事項等)は、すべて原則として集会で方針を決めることが要請されます。
そのため、集会には、区分所有者全員が参加する権利を有し、議決権が与えられます。
(2)集会決議の種類
   集会で決議する議案の内容により、区分所有法や管理規約で、「普通決議」(区分所有者数及び議決権数の各過半数)事項と「特別多数決議」事項に区分され、それぞれ決議の方法が異なります。
(3)集会の開催
   マンションでは最低年1回は「定期総会」という形で集会を開き、事業報告や会計報告がなされ、次年度の事業計画、予算案を審議議決し、役員の交代などが決められます。
臨時に集会を行う必要がある場合には、臨時総会を開きます。
・ 総会の会議は、議決権総数の半数以上を有する組合員が出席して(定足数が満たされて)、はじめて成立します。
・標準管理規約では、総会の議事は、特別決議事項以外の事項(普通決議事項)については、出席組合員の議決権の過半数で決するとしています。

【原則は、総会中心主義・・】
区分所有法は、総会を管理組合の最高の意思決定機関として位置づけ、建物等の管理に関する重要な事項はすべて原則として総会の決議によって定めることにしています。
しかし、総会でいかなる事項をも決議できるかといえば、違います。
区分所有法の強行規定に反することはできないのです。
仮に総会で強行規定と異なる決議をした場合は、その決議は無効となり、法律が優先されることになります。
【強行規定とは】
次にあげられる内容が、区分所有法の強行規定の代表的なものになります。
1、専有部分と共用部分の持分の分離処分禁止
2、共用部分の重大変更の決議要件のうち議決権数
3、管理所有者による共用部分の重大変更行為の禁止
4、規約の設定・変更・廃止に関する決議要件
5、総会招集請求権の定数の増加禁止
6、管理組合法人の設立・解散決議要件
7、義務違反者に対する訴訟提起の決議要件
8、大規模滅失の場合の復旧決議の要件
9、建替え決議の要件

△総会
総会では、管理組合の予算や決算のほか、役員の選任や規約の変更など マンションの管理に関する重大な事項を決定します。
総会は組合員が自分たちのマンションの管理をどのように実施していくかを決める大切な機関です。
総会は、区分所有者の全員が参加して、マンション管理組合の運営上重要な案件を決める管理組合にとっての最高意思決定機関の役割を担います。

総会には「通常総会」と「臨時総会」があります。
毎年1回定期的に開催させるのが通常総会(定期総会)であり、ここでは管理組合の決算・活動報告、予算の審議や役員の選任等について決議が行われます。それに対し、文字どおり臨時に開催されるのが臨時総会です。
総会は、理事長(管理者)が招集するのが原則であり、理事長は少なくとも毎年1回通常総会を招集しなければなりません。
原則として、総会での議事は区分所有者および議決権の過半数で決議されますが、区分所有法で別段の定めがある場合もあります。
また、組合員は書面または代理人(委任状)によって議決権を行使することもできます。
この議決権は、一般的な管理規約では「組合員が所有する住戸1戸につき1議決権」となっていますが、専有面積に応じて議決権を定めている管理規約もあります。
・標準管理規約第47条9項では、総会においては、“招集通知であらかじめ通知した事項についてのみ、決議ができる”としています。

◎管理組合の業務遂行機関「理事会」
理事会は、区分所有法で定められた機関ではありませんが、標準管理規約に定められており、大多数のマンションでは理事会を設置しています。
管理組合運営に関する重要な事項は、総会の決議で決められますが、日常的な課題についてその都度、マンションの区分所有者全員が集まり議論するのは、現実的ではありません。
そこで、規約によって理事会をつくり、日常的な管理業務全般についての確認や検討を行うのが理事会の役割です。
理事会は、総会での決定事項のほか、共同生活の中で発生する様々な問題や課題の解決策の検討や、居住者に対してのマナーやルールの周知などをおこないます。
理事会は、通常マンションに居住する区分所有者の中から選任される理事で構成されています。
理事会の人数に制約はないものの、規模に応じて設定されることが一般的です。
その中で理事長、副理事長、理事、監事と役職を決め、運営します。

・理事長
理事長は理事会、管理組合を代表し、これらの業務を統括するほか、規約や総会の決議に基づき誠実に業務を遂行する役割があります。
一般的に区分所有法において、「管理者」と位置づけられる理事長はいわば責任者であり、上記の行為の権限があり、また、義務を負います。

・副理事長
副理事長は、理事長を補佐します。また、理事長がやむを得ない事情によりその役務を執行できない場合は、その職務を代行します。

・理事
理事会の構成員です。理事は、理事会に出席し、管理規約で定められた事項の審議に参加します。
組合によっては、管理組合業務の各項目について理事がそれぞれ担当している場合もあります。
なお、理事会役員は総会にて選出されますが、理事長および副理事長は理事の中から互選により選任されることになります。
また、理事会では、総会にて決議する議案を作成することとなります。
そして理事会にて決定された事項についてのみ、総会で審議することができます。
なお、総会の集会は、総会開催日から少なくとも1週間前に、会議の目的となる事項を示して、区分所有者に通知することが必要です。

管理組合の理事になるためには、年齢も性別も勤務先の役職も一切関係ありません。
良識があり、組合のために貢献する区分所有者が、役員として意見を述べ実現していくことが重要です。

○理事長の権限
管理規約には理事長は管理組合を代表するとか、理事長は区分所有法の管理者とするとかと定められています。
このことから理事長の権限が最初から具体的に定まっていると思う方が非常に多いと思います。
時折暴走する理事長がいるのはそのことが原因しているかもしれません。

管理組合の代表とは何か。
法人化していない組合は権利能力なき社団と言うもので一つの団体となりその代表機関が必要となりますので理事長がその代表となります。
組合の内部においても外部に対しても代表者として存在します。
ただし、理事長が単独で何かを決めて実行できるという地位ではありません。
意思決定機関である集会や理事会の決議が必要です。

○理事会目的
マンション管理組合は区分所有者全員で構成されますが、話し合いや物事を決めるときに、毎度毎度全員を集めるのは難しいので、管理組合員を代表する理事を選出し、理事会を構成します。
理事会は、区分所有法で定められた機関ではありませんが、標準管理規約に定められており、大多数のマンションでは理事会を設置しています。
管理組合運営に関する重要な事項は、総会の決議で決められますが突発的なトラブルが起こることもあります。
その都度、マンションの区分所有者全員が集まり議論するのは、現実的ではありません。
そこで、規約によって理事会をつくり、日常的な管理業務全般についての確認や検討を行うのが理事会の役割です。

○理事会役割
全区分所有者の中から代表者を選抜し、多岐にわたる管理業務を各代表者が分担して執行するようにします。
合理的かつ実践的な組合運営を目指そうというわけです。
そして、代表者を「理事(役員)」と呼び、理事を構成員とする会合を「理事会」といいます。
理事会は管理組合の業務執行機関と位置付けられ、組合活動の中心的な役割を担います。
分譲マンションをマネージメント(経営)する機関とも換言できるでしょう。
マネージメント力の差が生活レベル(住み心地)の差となって表れてきます。

・マンションの管理組合では、総会が最高意思決定機関として位置づけられ、総会で決議された事項の執行機関として 理事会が位置づけられています。

・理事会はマンションの管理を行っていく中心となる組織です。
マンションの規模によって異なりますが小規模なマンションでは理事会の人数は3人から5人程度が一般的です。
あくまで目安ですが、戸数が50未満の小規模なマンションであれば3~4人、そこから50戸毎に1人増えていきます。
大規模修繕マンション(タワーマンション等)ともなれば30人を超えることも珍しくありません。
この理事会のメンバーにはそれぞれ役職がつけられます。
「理事長」「副理事長」「会計担当理事」で構成されるのが一般的です。

・理事会は、総会での決定事項のほか、共同生活の中で発生する様々な問題や課題の解決策の検討や、居住者に対してのマナーやルールの周知などをおこないます。
マンションの住人の中には「管理規約」や「使用細則」のルールを守らない人もいます。
理事会では、こうしたルール違反者に対して速やかに対応することが非常に大切です。

・理事会と管理会社がパートナーとして管理をおこなっていく
理事会が主体となってマンションの管理を行っていくことは間違いありませんが、マンション管理には専門的知識が必要になるため理事会メンバーだけで日常的なトラブルや設備の故障などに対処していくのには不安が残ります。
理事会にとって最も心強いパートナーは管理会社です。
マンション管理会社のフロントマンや管理員、清掃員などの手を借りながら管理は行なっていきます。
その他、必要に応じて管理組合の顧問やコンサルタントとしてマンション管理士や弁護士といった専門家の支援を受けることも重要です。

・理事会の主な役割
理事は基本的には複数選任されますから、それらの理事が集まっ て理事会を構成します。
理事会の議長は、原則として理事長が務めます。
管理組合としての方針を考えて案にし、具体的に問題を処理し解決していきます。
また年1回の定期総会(通常総会)の議案を作成します。

:理事会の役割を列挙すると以下のようになります。
1. 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
2. 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
3. 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
4. その他総会に提出する議案
5. 専有部分の模様替え等の修繕等の承認又は不承認
6. 賃貸者や同居人といった専有部分の専有者の共同生活秩序を乱す行為に対する勧告又は指示等
7. 総会から付託された事項
収支決算案などで見られるような議案の決議は理事会で決議されますが、収支決算そのものは総会での採決が必要となります。

:理事会の実質的権限
管理規約で理事会に実質的権限(構成や運営方法、決議方法)などを与えておくと運営がスムーズです。
たとえば以下のような問題では、理事会だけの判断ないしは決議で対応できるようにしておくことが、プラクティカルな問題解決法だといえます。
1. 管理費等の未納者への支払請求
2. マンション敷地内での違法駐車への対処
3. 生活騒音等のクレーム対応
4. 住民による住戸のリフォーム工事の許可
5. ペット飼育に関する事項

○理事の役割
マンション管理組合は区分所有者全員で構成されますが、話し合いや物事を決めるときに、毎度毎度全員を集めるのは難しいので、管理組合員を代表する理事を選出し、理事会を構成します。
理事は各組合員の意見や要望を吸い上げて、理事会等でそれらを取りまとめて実行に移します。
理事の具体的な役割や仕事には、マンション管理会社など業者との連絡・交渉・契約、マンションの修繕計画の作成・変更、マンションの点検・チェック、マンション管理規約案や使用細則案の作成、住民からのクレーム対応などがあります。

理事はそれらを実現したり実行に移すために、理事会や総会を定期的または不定期に開催します。
なお、理事は総会によって選任されます。
理事会は、組合の主役ではありますが、一方、マンションのことについては素人集団であるという側面も否定できません。
そこで理事会は、よきアドバイザー、よきパートナーとしての管理会社を選ばなくてはいけません。
理事会が、マンション管理会社の傀儡政権では、マンションが荒廃していくのを避けることができません。

○マンション管理組合理事の半数改選について
理事会の運営は、業務の継続性が求められます。
役員が毎年全員交代すると、理事会でのこれまでの議論や活動の経緯がらからなくなったり、理事会活動そのものが停滞しかねません。
実際多くのマンションでは1年若しくは2年で役員が交代しています。
その場合には継続性を確保するためにも引継ぎをしっかり行うことが重要です。
故に、管理組合運営の継続性を確保するためできれば役員(理事)の変更は半数改選の2年任期が望ましい。
これは役員のなり手不足解消の一方策でもあるのです。

◎監事の役割
管理組合の役員は理事と監事に大別されます。
理事の仕事は主に管理組合の業務を執行する役割を担います。
それに対して監事は管理組合の業務の執行状況と、管理組合の財産をチェックする役割を担います。
これらのことを監査といい、監事はその監査結果を通常総会で報告することが義務付けられています。

・管理組合の監事の仕事は大別すると、管理組合の「業務監査」と「会計監査」の2つです。
業務監査とは、管理組合の業務が適切に行われているかチェックすることです。
会計監査とは、管理組合の財産管理が適切に行われているかチェックすることです。

○管理組合の監査機関「監事」
監事は、管理組合の会計および理事会の業務状況について監査および報告をする役割を担っています。
通常、1人または数人の監事が管理組合に置かれます。
ただし、監事は理事会の構成員でないため、理事会に出席して意見を述べることはできますが決議に加わることはできません。監事はその立場上理事を兼任できません。
管理業務の執行および財産の状況に不正があると認められた場合は、臨時総会を招集することができます。
また、総会前に収支報告書の監査を行い、総会時にその報告を行います。

・マンション管理組合の役員は、理事(理事長や副理事長等)の他に監事で構成されます。
管理組合は理事会の合議制によって運営されますが、監事は理事会の業務執行や管理組合の会計について監査する大切な役割を担っています。
・監事は理事会活動全般の公正性を担保・監査するという、極めて重要な役割があり、権限は理事長以上と言えます。
・管理組合から選ばれる会計知識等が十分てない監事の方がこうしたチェックをするのは簡単ではありません。
実際には業務を委託している管理会社任せになっているのが実情です。
今後はマンション管理士や会計士等の専門家による「監事の外部委託」「外部監査」を検討する必要があるでしょう。

○管理組合の役員とは
管理組合の組織は区分所有者全員を構成員とし、総会で決議された管理業務を執行する「理事会」、管理組合業務を監査する「監事」が置かれます。そして、理事や監事が管理組合の役員となります。
役員に関する事項については、区分所有法では特に規定されていませんので、通常は管理規約で定められています。

建物の区分所有等に関する法律「区分所有法」は、管理者の規定があるのみで、その他の役員の規定は設けていません。
マンション標準管理規約では、理事長、副理事長、会計担当理事、理事(理事長、副理事長、会計担当理事も一括して「理事」と呼ばれます。)および監事といった役員を置くものとしています。
理事長、副理事長および会計担当理事は、「理事の互選」により選任されます。

○理事会役員のなすべきこと
 マンションは建物が劣化したり、共用施設の利用方法等で多くの問題が起こってきます。
 これを速やかに解決するために「速やかに何かを決める」ことが理事会のなすべきことです。

○「役員の責任」 - 委任の規定に従い各種の義務を負う
区分所有法上の管理者は、区分所有法28条により「管理者の権限義務は、委任に関する規定に従う」と定められています。通常は理事長が、この「管理者」にあたります。
その他の理事も、もち回りであろうとなかろうと、集会で選任されて、これを請けた以上、民法上の受任者として同法644条に定める「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務」を負うことになります。

●「役員管理事務の要諦」 - まずは他の住人への報告義務を念頭におくこと
マンションの業務は多岐に渡り、かつ複雑な業務ですが、独断専行することなく、また管理会社に頼りきりにすることもなく、様々な人の意見を聞いて、事務処理を行なうことが、マンションの管理組合の役員には大切です。
そして、受任者(役員)には委任者(管理組合)への報告というのが欠かせない業務となります。
他の区分所有者に定期的に業務報告することが念頭にあれば、事務処理を整然と行い、その証拠を記録しておくことが大切になります。

◎マンション役員のなり手不足への対応
マンションの高経年化が進む中で、管理組合運営の要である「役員のなり手不足」が大きな問題になっています。
一般的に原因の大きな一つは「居住者の高齢化」であり、もう一つは「管理組合運営に対する居住者の無関心さの増大」だといわれています。
個別のマンションでの原因は様々だと思われますので、役員のなり手不足に対する標準的な対応について検討してみます。

1、役員候補者の選任方法は立候補制+輪番制の併用制とする。
①役員の立候補者を募る。ただし、問題ある居住者の立候補の心配等があれば推薦制に変更も考慮する。(推薦制は立候補に理事会や他の組合員等の推薦が必要という制度)

②同時に理事会が居住者の中から次期役員の適任者を選びピンポイントで役員への就任依頼を行う。(立候補を促すという形)

③立候補者を優先しても不足の役員候補者数については輪番順位に基づき就任依頼を行う。輪番役員への該当者には1年前から次年度役員のお知らせは必須です。

2、役員の任期についても「再任も可」として一定年数の理事就任を可能にする。

3、役員資格を緩和して役員資格者を増やす。
例えば、区分所有者のみでなく配偶者、同居の親族等も役員資格者とするなど。

4、役員定数を削減する。
例えば、定数7名を「3名以上~5名以内」に変更など。

5、役員手当を支給又は増額して報酬面でもそれなりの魅力を訴求する。

6、マンション管理士等の外部専門家を役員や顧問等にして、区分所有者等の役員就任への不安を解消し安心感を訴求する。

7、上記の対応でも役員の確保が困難な場合は、マンション管理士等の外部専門家を ”より積極的に”活用する。
①専門家の理事長への起用。理事会の長として理事会運営を牽引してもらい役員の負担を軽減させる。

上記の対応のどれを実行するにも、管理規約の改正など総会決議が必要となります。
役員のなり手がいないような状況が続きますと管理組合運営が停滞し、マンション全体に様々な悪影響が及びます。
管理不全マンションとならないためにも「役員のなり手不足への対応」は管理組合にとっての最優先課題です。

○管理の専門家・コンサルタント
・マンションは共同生活の場ですので、どんなに管理規約などでルールを制定しても価値観や生活スタイルの違いなどによりトラブルを完全に防ぐことはできません。
マンションの管理では専門的な知識が必要な場面も少なくありません困った時には専門家の助けを受けることも必要になります。
マンションで長く生活していれば建物や設備の故障や、住人間のトラブルに遭遇することもあるでしょう。
マンション管理は、居住者の高齢化、建物の老朽化、無関心層の増加などにともない、区分所有者による理事会が中心となって管理をおこなう方法にも限界がみえてきます。
そこで管理組合のサポート役としてコンサルタントを活用することが一般的となってきています。

・マンション管理組合が必要としているコンサルタントとは、管理組合役員の立場にたって適切な助言や支援等を行うマンション管理の各分野の専門家です。
マンション総合調査結果でも約80%ものマンションが何らかのトラブルを抱えています。また、同調査での専門家の活用状況を見ると、建築士や弁護士、マンション管理士といった専門家が活用されています。

・マンションでは様々な事態が想定されるため、住人間のトラブルの予防や解決といった管理組合の運営全般に関することや、大規模修繕工事や給排水管のリニューアルといった技術的なこと、理事会運営の補助といった様々なコンサルタント業務があります。
管理組合がコンサルタントに支援を依頼する場合に大切なことは、どのような依頼をするにしても管理組合のニーズにあったプロフェッショナルなコンサルタントに依頼をするということです。

○管理者とは、分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者全員の代表者として、建物および敷地等の管理を実行する者のことです。
通常の場合、管理組合の理事長がこの「管理者」です。
管理者は、通常の場合、管理規約の定めに従って、管理組合の理事会において、理事の互選により選ばれる(区分所有法第25条)。
管理者は、区分所有者全員の代表者として、集会で決議された事項を実行し、また管理規約において与えられた職務権限を行使することができる(区分所有法第26条)。
管理者の職務としては次のものを挙げることができる。

1.集会(管理組合の総会)の招集・議事運営・議事録作成 (区分所有法第34条・第41条・第42条)
2.管理規約の保管と閲覧への対応(区分所有法第33条)
3.義務違反者に対する訴訟の提起(区分所有法第57条から第60条)
4.そのほか管理規約・使用細則で管理者の職務とされた事項(理事会の運営・日常的な業務の執行など)

◎管理規約
 管理規約とは、管理組合の運営の基本となるルールです。
マンションにおいて、建物を適切に維持管理し、区分所有者が快適な居住環境を確保できるようにするためには、管理組合の運営の仕方や区分所有者が負担すべき費用、守るべきルールなどをあらかじめ決めておくことが必要です。
すべてのマンションの管理の基本となるものが区分所有法であり、これをベースとして、それぞれのマンションで、独自にルールを決めることができます。
そのルールの中で基本かつ中心となる最高自治規範が「管理規約」ということになります。
この管理規約には、管理組合の運営方法や、専有部分・共有部分の範囲や使用方法、管理費や修繕のための積立金の額など、マンションの管理に必要な様々な内容を定めることができ、管理のための憲法と言うこともできます。

○マンション管理規約
マンションは、複数の人が一棟の建物を区分して所有して共同生活を送っています。
多くの人間が関係するだけに、その間にトラブルが予想されるため、良好な共同生活秩序を維持していくためにはルールを制定しておくことが必要です。
そこで、各マンションの事情に応じて、区分所有者相互間の共同のルールを自主的に定めた規則が「管理規約」です。また、管理規約とあわせて、管理規約の規定の内容を詳細に定めたり、内容が煩雑化するのを避けたりするために、多くのマンションでは「使用細則」を定めています。

○管理規約の見直し
管理規約はマンションごとの個別の事情などを加味して独自に定めるべきものです。
一般的には新築マンションの場合には国土交通省が雛形として公表している標準管理規約をベースにしていることが多いでしょう。
これに管理会社が手を加え最初の総会で承認したものが管理組合の最初の管理規約になります。
この管理規約成立後は、これがマンションのルールブックとなります。
しかしマンションの状況は社会情勢の変化や環境の変化等で複雑に変化していくものですので都度、見直しを行っていく必要があります。
「マンション標準管理規約」を基に、時代に合った内容の充実が求められます。
(管理規約の制定、変更、廃止は管理組合の総会で組合員総数及び議決権総数の各3/4以上の特別決議による承認が必要です。)

・マンション標準管理規約とは
多くの住民が一棟の建物を区分して所有しているマンションにおいて、住民が長い間にわたり快適な生活をおくるためには、住民の間でマンションの維持、管理や生活の基本的ルール(管理規約)を定める必要があります。
そのために、国土交通省が管理規約の標準モデルとして作成したのが標準管理規約です。
これは、マンションに対し、標準管理規約への変更を強制しているわけではなく、管理組合がマンションの実態に応じて管理規約を制定、変更する際の参考になるように、と作成されました

◎使用細則
・マンションの共同生活を円滑におこなうための日常的なルールを規定したものを使用細則といいます。
使用細則は管理規約にもとづいて設定されます。
この使用細則は、管理規約とは別に作成されるもので、管理規約とは異なり、普通決議で作成することができます。
したがって、頻繁に変更が必要な事項や管理規約に定めるほどの堅苦しい内容ではない生活を営む上で必要となるルールを定めるものです。

・使用細則は、一つの大まかな全般的なルールとして「●●管理組合使用細則」として定めるほか、さらに詳しい内容が必要な場合には、個別に規定していく方法が一般的です。
使用細則の種類は、管理組合毎にさまざまです。

・使用細則の例
「ゴミ置き場の使用に関する細則」、「役員の専任に関する細則」、「駐車場に関する運用細則」
「駐輪場に関する運用細則」、「ペット飼育に関する細則」「防犯カメラ運用細則」等

・管理組合で使用細則を作成する場合には、原則的には総会の普通決議によっておこなうことができます。
ただし、使用細則の内容が、管理規約の内容変更に該当する場合などには、管理規約の制定や変更と同様に、総会の特別決議が必要となります。


◎専門委員会の設置
「マンション標準管理規約」第55条(専門委員会の設置)
1理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。
2 専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。

第55条に関するコメント
➀専門委員会の検討対象が理事会の責任と権限を越える事項である場合や、理事会活動に認められている経費以上の費用が専門委員会の検討に必要となる場合、運営細則の制定が必要な場合等は、専門委員会の設置に総会の決議が必要となる。
➁専門委員会は、検討対象に関心が強い組合員を中心に構成されるものである。
必要に応じ検討対象に関する専門的知識を有する者(組合員以外も含む。)の参加を求めることもできる。

〔主旨〕
多くのマンションでは管理組合の理事の任期を1年、ないしは2年としているため、理事会運営の継続性に欠け、大きな問題ほど先送りされる傾向にあります。
また、継続的に扱う必要のある案件や、日常の管理レベルを超えた業務量の案件など、通常の理事会で抱えるには無理や負担がある場合がありトラブルの原因になったり、理事間の対立などに発展する場合もあります。
そこで、「理事会の運営をスムーズに行う」ため、特定の問題解決を専門に扱う諮問機関としての「専門委員会」を設けて対応する管理組合も多いようです。

・マンション管理組合がおこなう業務には実に様々な仕事があります。
専門的な知識が必要であったり、長期的な案件に取り組む場合など理事会だけでは対応が難しいことがあります。
例えば大規模修繕工事であれば短くても2年程度の検討期間は必要になるでしょう。
そのような場合には理事会とは別組織として管理組合に専門委員会を設置することがあります。

・管理組合の業務は非常に多岐にわたるため理事会だけではすべての案件に対応することは困難です。
そこで、専門知識が必要だったり長期に渡って取り組むべき案件が生じた場合には、必要に応じて「専門委員会」や「部会」を管理組合内で組織することがあります。
一般的に専門員会には「管理規約改正委員会」「大規模修繕工事検討委員会」「長期修繕計画策定委員会」といった案件毎に立ち上げます。

・専門委員会の設置するには、名称・目的・組織・専門委員会内容・費用等を理事会で想定した上で、総会で承認を得る必要があります。

・専門委員会はあくまでも理事会の下部組織ですので、最終的な責任は理事会にあります。
専門委員会の活動報告は、定期的に理事会におこない、最終的な方針を決定するのは理事会の役割です。
専門委員会で話し合った内容を理事会に対して諮問していくわけです。

・専門委員会の設置においては、理事会との連携は必須であり、理事会の意向と離れて独歩しないように理事会との意思の疎通が不可欠となります。なので、専門委員会の会合には理事のメンバーが参加することが望まれます。

・専門委員会の位置づけは「理事会に対し検討結果をまとめ、委員会としての課題の方向性を決めて報告する」となります。

◎維持管理とは
 マンションの維持管理(メンテナンス)とは、具体的には、マンションの共用部分である廊下や階段、エレベーター、駐車場、駐輪場、バイク置き場、集会所などの日常的な清掃、設備の点検、修繕等を指します。
特にマンションという建物の資産価値と良好な居住環境を維持するためには、長期にわたり計画的に修繕を行う必要があり、そのために長期修繕計画を立て、それに基づき計画的に大規模修繕を行うことが重要です

▼建物劣化現象
マンションの劣化はこんなにあります
ひび割れ等からコンクリート中に雨水が浸入します。 内部鉄筋を腐食し錆汁が発生します。
クラック、目地などから雨水等が浸入し、内部鉄筋が腐食して爆裂が発生します。
… 劣化症状としては、塩ビシートの浮き、剥がれ、端末シーリングの破断、ジョイント溶接部の破断などが挙げられます。

〔主な劣化現象〕
:ひび割れ
仕上げ材、コンクリート本体に入るひび割れ
:浮き
仕上げ材(タイル、吹き付けタイル)の浮き、ふくれ
:エフロレッセンス
ひび割れ等に雨水が浸透して発生した白色の遊離石灰
:鉄筋腐食
ひび割れ、中性化、かぶり不足により鉄筋が錆びる
:中性化
コンクリートが空気中の二酸化炭素と反応して中性化していく
:シール材劣化
シール材硬化、ひび割れ、隙間等劣化
:漏水
防水不良、ひび割れ、シール不良、ジャンカ(コンクリートの打設不良)等からの漏水

・中性化
コンクリートはセメントの水和反応によって作られたアルカリ性物質が多く含まれています。
年月の経過により空気中の二酸化炭素等の影響を受けて、コンクリート表面より内部に向かって徐々にアルカリ性を失い、中性化していきます。
コンクリートの中の鉄筋は、強アルカリ性の状態であれば腐食することはほとんどありませんが、中性化が進むと中にある鉄筋周辺のコンクリートが強アルカリ性を失い、鉄筋が錆びやすくなり、コンクリート構造物の劣化の原因となります。

・劣化の過程
ひび割れ→中性化→鉄筋腐食→爆裂→耐力低下

・外壁材の劣化現象は、太陽光による紫外線、雨や風、地域によっては凍結や塩害といった環境的要因のほか、建物内部の漏水、鉄筋の錆びや構造上の問題など、複数の要因が複雑に関係し合った結果であると言えます。
微細なひびや欠損を、まだ小さいからといって放置しておくと、やがて大きな劣化へと進み、結果的には建物全体に甚大なダメージを与えることもあります。
 鉄筋コンクリートには各種の劣化現象が見受けられます。
それらの症状が発生すると直ちに建物が危険になる訳ではありません。
劣化の過程があり、最終的に構造体力限界に達して危険状態になる訳です。
当然その途中で改修を行ない、劣化の進行を遅らせたり、初期性能に回復させたり、新たな性能を付加させることにより、建物の寿命を延ばし、建物の価値を高める事が可能です。

・〔建物によって異なる大規模修繕〕
建物には、耐用年数があり、建てた直後からその資産価値は下がっていくと言われます。
たとえば汚れや破損、漏水といったトラブルなど、使用していなくてもマンションの劣化は進んでいきます。
マンションを長く快適に保ち、資産価値を維持するためにも、大規模修繕工事はとても大切です。
立地や状況・建物は、ひとつとして同じものはなく、それぞれ特色があるため、建物ごとに大規模修繕のやり方が異なります。

マンションは立地や規模、構造等によりそれぞれ異なります。
それぞれのマンションにあわせた長期修繕計画をたて定期的にメンテナンスを行っていくことは、マンションの資産価値を長く保つためにもとても重要なことと言えるでしょう。

*マンションの適切な維持管理は、管理組合や区分所有者が積極的に取り組むべき事項です。
しかしながら、多くの人が居住する集合住宅であるマンションでは、より良い管理に向けての合意形成は困難な面もあり、いかにして合意形成を図っていくかが、大きな課題です。
その為にも、マンション現状の「問題点を共有」し、それらの解決に向けての「共通の意識・認識」を
持つことが大切です。

・躯体
昨今のマンションには主に、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)があります。
RC造は鉄筋コンクリートによって構成された構造で、中高層マンションの大半がこのRC造で作られています。
一方、SRC造は鉄骨骨組の周りに鉄筋を配してコンクリートを打ち込んだ構造で、一般的に8回以上の高層、超高層マンションはこのSRC造で建てられています。

○修繕等の際の留意点
 修繕を行う際には工事箇所や費用に係る合意形成の問題の他、実際の工事に当たり騒音等の生活・居住環境の問題が生じる場合があります。
また、専有部分のリフォームについても、区分所有者に自由にリフォームを許すと、上下階への騒音のトラブルや、建物自体を傷めてしまうといった問題も生じ得ます。
このように、マンションの維持管理(メンテナンス)を行うに当たっては、事前の合意形成のみならず、騒音をはじめとする区分所有者間のトラブルが生じる可能性が十分にありますので、注意が必要です。

・管理規約では、区分所有者が、専有部について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替えを行う場合(これらを「修繕等」と定義しております。)には、理事長から書面による承認を得る手続を要求しています。
つまり、区分所有者側から見れば、「修繕等」を行う場合には、理事長から書面による承認を得る必要があり、理事長側から見れば、区分所有者からの申請に対して「承認」するか否かを判断する必要がある、ということになります。
(標準管理規約、専有部分の修繕等第17条)
区分所有者から専有部リフォームの申請があった場合、理事会で、承認・不承認の判断をしなければなりません(標準管理規約17条3項)。

理事長への「申請」が必要な場合とは?
規約17条1項を見ると、区分所有者がリフォームなどを行う場合に、理事長への「申請」が必要になるのは、次の2つの条件を満たすような場面になります。
①専有部分のリフォームが「修繕等」に該当すること
②当該リフォームが共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあること

◎大規模修繕
マンションの外壁を塗り替えたり、古くなった配管を取り替えたりする大規模な工事が伴うマンションの修理(修繕)を大規模修繕といいます。
大規模修繕を行う必要性やその箇所、内容は、専門家を交えて検討し、最終的には、区分所有者が参加する集会における過半数で実施を決定しますが、共用部を著しく変更する大規模修繕は3/4以上の賛成が必要となります。

・分譲マンションの性能を維持し老朽化を防止するために、計画的に行なわれる修繕であって、多額の費用を要する修繕のことです(これに対して多額の費用を要しない計画的な修繕は「小規模修繕」という)。
具体的には、鉄部塗装工事・外壁塗装工事・屋上防水工事・給水管工事・排水管工事などの各種の修繕工事を指しています。
これらの修繕工事を適切に行なうためには、分譲マンションの管理組合が「長期修繕計画」を作成し、修繕積立金を積み立て、大規模修繕を実施することが不可欠です。
建物の規模が大きく、複数の世帯が暮らすマンションの場合、劣化した箇所をその都度修繕するよりも、計画的に資金を貯め、全体をまとめて定期的に大規模修繕を行うほうが手間もコストも合理的です。
この大規模修繕は、マンションの長期修繕計画に沿って実施されるのが一般的です。

・大規模修繕工事は、マンションの資産価値の維持・向上を図るとともに、現在の住居水準に合わせてマンション性能をグレードアップし、より住みやすいマンションにしていくことが大きな目的になっています。
大抵の分譲マンションでは管理組合によって長期修繕計画が立てられ、おおよそ12年周期で大規模修繕工事が行われています。

○大規模修繕工事の進め方
マンションの大規模修繕工事を実施する際は、マンション管理組合が主体となって、体制の準備、調査診断からはじまり、設計、工事を経てアフター点検までを行っていきます。
大規模修繕の工事期間はマンションの規模や工事内容によって異なりますが、一般的に2~6ヶ月程度かかります。
工事着工から竣工まで、居住者の協力が必要な事項は多数あります。
できる限り居住者に情報を広報しながら、効率的な工事となるように心がけましょう。

・まずは、大規模修繕工事の体制作りからです。
管理組合において大規模修繕に向けた専門委員会(修繕委員会)などを設置し、過去の経験者などのほか、希望者を募集するなどしてメンバーを選定。
大規模修繕工事の時期が近くなると修繕委員会を立ち上げ計画を進めていきます。
そこで、大規模修繕工事の体制が整ったらどのように工事を発注するのか、「発注方式」を決めなければなりません。

・理事会を経て総会を開き、長期修繕計画に基づいた今回の大規模修繕工事の概要を報告、確認し、方針を決定します。
設計監理方式の場合、設計監理業務を依頼する設計事務所やコンサルタントを探し、パートナーとして「設計監理業務委託契約」を締結します。
決裁順位は総会が最上位で、その下に理事会、そして理事会とは別に専門委員会があり、外部参画者として設計事務所などのパートナーが存在する形になります。

・次はマンションの不具合傾向、劣化状態を探る段階に入ります。
管理組合で建物の調査診断、全住戸アンケート調査などを実施して、問題点などをリストアップしていきます。
また、パートナー(設計事務所やコンサルタントなど)もマンションの仕様、現在の状況をチェックした上で診断報告書などを作成、また結果を説明会などで報告し、修繕方法や工事の優先度に関する提案を行います。

・管理組合が施工業者との間で「工事請負契約」を締結し、パートナーとの間で「監理業務委託契約」を締結し、その後、着工へと進みます。
工事実施にあたっては工事説明会を経て、試験施工、定例会議、各種検査を行い、施工開始となります。

・パートナーは工事監理業務として、設計した仕様通りに工事が進捗、実施されるかどうかをチェックし、工事中に問題や不具合が発生すれば、どのように対応するかを管理組合へ報告・変更提案を行い、管理組合と協議の上、決定します。

・終了した工事について、結果の確認とアフター点検を行います。
パートナーは工事監理記録を整理して提出、さらに今後の維持管理、定期的な検査に関する提案と助言を行います。

・大規模修繕工事は、準備段階を含めれば数年かかることもあるので、理事会や専門委員会のメンバーとして加わる際はその心づもりで取り組みましょう。

・自分たちの財産は自分たちで守る! 管理会社任せにしない。
長期修繕計画で工事の時期がきたから工事をするわけでは無い、工事が本当に必要か、必要な工事項目か、建物の状況で判断し、無駄な支出をしない。

◎大規模修繕委員会(専門委員会)の設置
・マンションでは毎年役員が交代することが多く、役員の任期以内に大規模修繕を終えることは難しく、大規模修繕工事の検討の時期がきても工事が次年度へと先送りされやすくなります。
そこで大規模修繕のために理事会の諮問機関として修繕委員会を設置する場合があります。

大規模修繕工事は計画から工事完了まで2〜3年かかることもあり、一般的な理事の任期である1~2年より長くなる場合が多い。
そこで、理事会とは別の組織として、大規模修繕工事の計画段階から「大規模修繕委員会」の設置を検討します。
委員会の任期は工事終了までとすることで理事が交代しても検討事項の継続性を確保することができます。

・修繕委員会は、通常、修繕工事期間中はメンバーを固定し、理事会から諮問を受けて作業を行う専門委員として位置づけられます。
理事会とは別に頻繁に会合が必要となります。(工事が始まったら、定例会議を開く場合も)
修繕委員の候補や人数は、方針の決定、対外折衝、居住者への対応、広報などの役割に対応できる委員で構成される組織になるように決定します。

・「大規模修繕委員会」は、大規模修繕工事の「工事の範囲」や「工法」「施工業者の候補」選定などを業務とします。
こうした、大規模修繕工事における専門委員会のことを一般的に「修繕委員会」「大規模修繕委員会」等と呼んでいます。

◎大規模修繕工事の発注方式
マンションの資産価値を維持するために最も大事なのが大規模修繕です。
以前は業務を委託している管理会社にすべてを任せてしまう方法が主流でしたが、現在では、管理組合が外部の専門業者に直接発注する方法を採用する管理組合が増えてきました。
マンションの大規模修繕工事の進め方には大きく分けて「設計監理方式」と「責任施工方式」の二つの方法があります。
それぞれのメリット、デメリットそして注意点を理解した上で、マンション管理組合にあった手法を選ぶことが重要です。

○設計監理方式
設計監理方式とは、実際に工事を行う施工業者とは別に、建築士又は建築士を有する設計事務所・建設会社・管理会社等を選定し、①合意形成までの段階では、[調査診断・改修設計・施工業者の選定・資金計画等に係る専門的、技術的、実務的な業務]を委託し、②工事実施段階では[工事監理業務]を委託する方式です。

:メリット:①「診断・改修設計」と「施工」が分離しているので、必要とされる工事を客観的に見極めた上で工事内容を定めることができ、結果的に工事費用を抑制することができる場合があります。
②競争入札等の競争原理を導入して、施工業者を選定することができます。
③管理組合の立場にたった工事監理が行われます。
工事内容・工事費用の透明性の確保、責任所在の明確さなどの点で、建築・技術知識の少ない管理組合が工事を行う場合には、望ましい方式だと言えます。

:デメリット:工事費以外に、設計監理業務費用として専門家の費用が発生します。
管理組合は、設計監理業務を委託する場合には、事前に設計事務所に対し、設計監理業務が、有資格者による業務の遂行なのかを確認することをおすすめします。

・設計監理方式は、工事費とは別にコンサルタント費用は発生しますが、第三者の立場で施工品質をチェックするので、施工不良や欠陥が発生するリスクを減らすことができます。
もちろん、信頼できるコンサルタント会社を選定することが重要です。
マンション大規模修繕では設計監理方式が広く採用されていますが、コンサルタント会社にすべて一任する、いわゆる丸投げしてしまうのは禁物です。
完成後に不具合が発生したとき、責任の所在が不明確になることもあるので注意が必要です。
当初は「高額で不透明なマンション管理会社元請方式」に対抗することを目的の一つとして設計事務所が発展させてきた設計監理方式ですが、近年では悪質なコンサルタントによる設計監理方式での談合等の問題も取り沙汰されています。
工事会社や設計事務所、コンサルティング会社が信頼できるか否かの見極めが重要なポイントになります。

・設計監理方式は、施工業者を選定して契約するとともに、別に建築士事務所や設計コンサルタント会社を選定して契約する方式になります。
施工業者は施工を専門的に行い、別に契約したコンサルタント会社が建物診断や設計図書・仕様書の作成、積算や見積もりをもとに施工業者の選定を補助してくれるとともに、工事期間中の品質面などの工事監理まで行ってくれます。
ただし、責任施工方式とは違い、コンサルタント会社にコンサルタント料の支払いが必要になります。
管理会社や設計コンサルタントがあらかじめ行った劣化診断によって決めた同じ仕様に基づいて、見積もりをだすため、金額を調整するだけで簡単に談合ができるシステムでもあるのです。

・近年、問題になっているのがコンサルタントの「談合」です。
談合とは、コンサルタント会社と施工業者と癒着して工事費が意図的に高額になる事等です。
できるだけマンション管理組合、および理事会が中心になって施工業者の選定を行い、コンサルタント会社はあくまでサポートという立場で関係性を保つ必要があります。

○責任施工方式
責任施工方式は施工業者に【調査診断から改修設計、資金計画、実際の工事まで全て】を一任する方式です。
この場合の施工業者は、建築士を有し、設計や施工、監理部門などを持つ専門工事会社、建設会社や管理会社等となります。
管理組合は、信頼のおける数社や、競争入札で選定した数社の施工業者に、調査診断や修繕計画、工事費見積もりなどの提出を求め、一社を選定します。

:メリット:①初期の段階から、施工業者が関わることで、施工性(工事中の仮設計画や工事実施手順等)に配慮した検討や綿密なスケジューリングが可能になります。
責任施工方式の一番のメリットは、建物診断から設計・仕様書の作成、工事施工から引き渡しまで全て施工業者に委託するので、マンション側の労力的な負担が大幅に軽減されることです。
それに伴って、大規模修繕の初期段階から施工業者が関わるので、計画的に施工を進めることができ、工期短縮にも繋がります。さらに、万一トラブルが発生したときも、責任の所在が明確になるのもメリットの一つです。
②設計監理方式のような専門家の費用を必要としません。(注意:施工業者によっては、設計監理業務の要素がある費用を計上して、管理組合が工事費用以外に費用負担しなければならない場合がありますので、事前に、施工業者と協議し、業務内容や費用について明確にすることをおすすめします。)

:デメリット:①「設計と施工」が一体化するため、工事内容と費用内訳の関係が「不明瞭」となりやすい場合があります。
②技術的知識が施工業者に偏るため、管理組合が、正しい判断で必要な工事内容を定めるという点で問題となる場合があります。
この方式を採用する場合は、検討結果の適切な情報開示や検討内容ごとの費用内訳の提示等を受けることが重要となります。

・責任施工方式とは名前のイメージ通り、特定の施工業者に建物診断から設計図書及び仕様書の作成、施工監理まで大規模修繕に関して、始まりから終わりまですべて施工業者に委託する方式です。
言い換えれば、選定した施工業者の方針で大規模修繕工事の施工が行われるので、信頼できる施工業者の選定が重要になります。
施工業者を選定する方法として、「見積もり合わせ」、「入札」、「特命随時契約」という3つの方法はありますが、一般的なマンション大規模修繕では「見積もり合わせ」が採用されており最も確実な方法です。
どの発注方式にもいえますが、特に責任施工方式を採用するマンションでは、施工業者の選定が重要になります。

・施工会社もしくは管理会社に、修繕工事の仕様作成や工事、チェックまで一任して発注する方式です。
すべてを1社に任せるため、後から不具合やトラブルが生じた場合でも責任の所在が明らかになり、打ち合わせ相手も1社で済むためマンション管理組合の負担を抑えられます。
すべてを1社に任せるため第三者のチェック機能が働かず、「提示された見積金額が妥当か?」「施工が適切に行われているか?手抜き工事はされていないか?」といった見積もりや工事内容について不透明になる可能性があります。
管理組合との間に信頼関係が構築されていれば最も手間がかからずに工事を行うことができます。
管理組合とのコミュニケーションが良好で、業務が円滑に実施されている管理会社に工事のすべてを任せるケースなどは、この方式になります。

*”建物の状態に合わせた必要・適切な修繕”こそが大規模修繕工事の本来の目的です。

『大規模修繕工事瑕疵保険』
マンションの大規模修繕工事に係る瑕疵担保責任保険については、住宅瑕疵担保履行法をはじめとした住宅瑕疵に係る消費者保護の政策の一環として、2010(平成22)年から国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人により提供が開始されています。
「大規模修繕工事瑕疵保険」は、検査と保証がセットになった保険です。
 瑕疵保険の加入の有無で、悪質業者の排除が可能です。
 施工業者を選ぶ場合、迷ったら瑕疵保険に加入している会社を選ぶのも安心な手段です。
 又、最初から瑕疵保険に加入している施工業者の中から選定する方策もあります。

◎管理組合は一枚岩ではありません。
 理事等の交代があり、役員同士又は役員と組合員、組合員同士、そして管理会社に対する考え方等、絶えず個人的感情が交錯します。
だから区分所有法では、全会一致ではなく、多数決の原理・手続きを規定しているのです。
組合員同士の反目が生じないように、マンション管理士等専門家が法に則って指針を示し、適正管理に向けて指導・助言を行わなければならない。
マンション管理士等専門家が組合員の信頼の下、理事会等役員を支え、そのことが管理組合を守っていくことになるのです。

・マンション管理適正化法で、「マンションの区分所有者等はマンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を果たすように努めなければならない。」となっているように、組合員が中心となりマンションの管理運営を行わなければならないのです。これは、自分達のマンションは自分達で守らなければならないということです。
昨今、管理組合の役員を拒む組合員が多いですが、マンションを購入した方は組合員としての責務をしっかりと認識し、管理組合活動に積極的に取り組んでいかなければなりません。

○生活管理とは
 生活管理(コミニュティライフ)とは、共同生活に関わる管理を指します。
生活管理に当たっては、ペットの飼育問題、ピアノ等の近隣間の音に関するトラブル、路上駐車問題など、解決が困難な様々な問題が発生します。

○生活管理上のトラブルの防止
 減少傾向にあるとはいえ、生活管理上のトラブルについては、近隣紛争的要素が強く、紛争当事者間では心情的な軋轢も大きくなることから、裁判等の場でも容易に解決はできないことが多く、事後的な解決は困難です。
したがって、管理組合としては、予防的な、トラブルを未然に防ぐためのルール作りや、それを各区分所有者に守ってもらうような活動(例えば広報活動など)を中心に、官公署・各種公的団体との渉外業務、風紀・秩序及び安全の維持に関する業務、防災に関する業務、広報及び連絡業務などを行うことになるでしょう。

○運営管理とは
 運営管理(マネジメント)とは、建物のメンテナンスなどに関するマンションの維持管理に必要な金銭の徴収・運用や、区分所有者間の合意形成等の様々なルール作り、総会の運営等を指します。

○運営管理のあり方
 ルールを決める際の手続き上の問題や、組織の運営のあり方に関する問題などが生じるおそれがあります。
最近は、管理組合内部での派閥の形成や対立などがあって、運営管理が十分に行われないマンションも稀ではありません。
運営管理は、管理組合が法律や規約などに則して行うものですが、それだけにとどまらず、組合員相互が公平平等であり、情報の開示、運営の透明化等開かれた民主的なものとすることが極めて重要となってきます。

・分譲マンションを購入すると、みんなマンション管理の当事者になります!
マンションの資産価値を大きく左右するとも言われる「管理」。
一戸建てと違い、共同住宅である分譲マンションは居住者同士で協力し、自分たちのマンションを維持管理していく必要があります。
分譲マンションを購入すると、そのマンションの所有者(区分所有者)は「管理組合」を結成し、自分たちのマンションを管理する当事者になります。
管理組合には、代表としてマンションの維持管理を進める「理事会」があり、マンションの管理は理事会で話し合いながら進めていくことになります。
その話し合いの前提として良好なコミュニティが不可欠です。
冷静な話し合い、相手の立場を考慮した話し合いが常に保たれてこそ健全なマンションと言えます。

◎共同の利益に反する行為
マンションは共同生活の場ですので、複雑な権利関係からトラブルが発生します。
共同利益背反行為は、 ①建物の保存に有害な行為 ②建物の管理または使用に関し有害な行為 に分かれます。
前者は、建物の構造を破壊したりする行為です。
後者は、共用部分に違法に物品を備 え付けたり放置したりする行為、あるいは、いわゆるニューサンス(騒音、悪臭等)行為 等です。

区分所有者の行為が区分所有法で禁止されている「共同の利益に反する行為」にあたるか否かは、当該行為の必要性の程度、それによって他の区分所有者が被る不利益の態様・程度などの諸事情を総合的に考慮して判断され、その行為は次のように分類することができます。
〔小さなルール違反(規約違反等)を見逃さず、一つ一つ対処是正していくことが、大きなトラブルを防ぐ上で
 極めて大事です。〕

:建物の不当毀損行為(躯体に影響を及ぼす行為)
隣り合った二部屋を一部屋にするために、その間の壁を取り壊すというような場合、そのことによって建物の安全性が損なわれるようであれば、それは共同の利益に反する行為となります。
共用部分の増改築は義務違反行為です。
たとえば、建物の外壁に円筒型の開口部を設けて換気装置を設置すること、及びバルコニーを改造して温室にすることは、いずれも共同の利益に反する行為です。

:不当使用行為
例えば、専有部分に爆発物や危険物あるいは極端に重いものを運び入れるような行為です。
共用部分である廊下を荷物置場として使うことは義務違反にあたります。
また、専有部分の使用目的を変更して使用することも、不当使用行為にあたります。
規約で専有部分の使用目的を居住用と定めている場合に、専有部分を店舗、事務所、診療所、飲食店などに改造して使用し、それによって他の区分所有者に迷惑をかけているケースなどが該当します。
暴力団がマンションの一室を組事務所として賃借していた事案において、管理組合の賃貸借契約解除・明渡し請求が認められた判例もあります。

:プライバシーの侵害又はニューサンス
マンションでは、上下左右の住戸の音などが伝わりやすく、住人のプライバシーが侵害されやすい構造となっています。
お互いのプライバシーを尊重することは、円滑な共同生活を維持するための最低限のモラルであり、マンションの構造を悪用して、他の区分所有者のプライバシーを侵害する行為は共同の利益に反する行為にあたるといえます。
また、マンションでは、上階の子供が走り回る音がうるさいとか、隣室のステレオやピアノの音が大きすぎて集中して勉強することができないとか、よく眠れないなどの、いわゆる騒音問題がよく起こります。
こうした騒音や悪臭、ばい煙などを発散させることにより、近隣の住人の生活が妨害されることをニューサンスといいます。
他の区分所有者の受忍限度を超えるニューサンスは共同の利益に反する行為となります。

:建物の不当外観変更
区分所有者が勝手に屋上に広告塔を設置したり、外壁に看板を取り付けたり、外壁の一部を建物の色とは異なる色で塗装したりする行為のことをいいます。

:管理費等の不払い
管理費等の支払義務は建物の管理に関する最も基本的な義務であることから、著しい不払いは共同の利益に反する行為であるといえます。
長期にわたる高額な管理費等の滞納行為も共同の利益を害する行為とした下級審判例もあります(大阪地判平13.等)。

○義務違反者に対する措置
共同の利益を守るために、区分所有法では「義務違反者に対する措置」という条項を設けています。
区分所有法はマンションに関する広範囲な事柄について定めた法律です。
例えば、理事会に寄せられたクレームや居住者間のトラブルの解決などで区分所有法の知識が必要になる場合もあります。
区分所有法では、ルール違反を行った者に対する対処法として「義務違反者に対する措置」が定められています。
マンションは共同生活の場ですので共同の利益に反する行為は禁止されています。
違反者に対しては、使用禁止や引き渡し請求などをおこなうことができます。

・分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有法の規定により、区分所有者等は、区分所有者全体の「共同の利益」に反する行為をすることが禁止されています(区分所有法第6条)。
その内容は次のとおりです。
1.区分所有者が共同の利益に反する行為をする場合
①行為の停止等の請求(区分所有法第57条)
②使用禁止の請求(区分所有法第58条)
③競売の請求(区分所有法第59条)
2.区分所有者の同居人や賃借人が共同の利益に反する行為をする場合
①行為の停止等の請求(区分所有法第57条第4項)
②占有者に対する引渡しの請求(区分所有法第60条)

○管理員について
主に管理会社から派遣される、管理の現場に常駐して、マンションの管理業務を行う人のことです。
一般に「マンション管理人」と呼ばれることが多いようですが、管理委託契約書では「管理員」と記載されています。マンション管理員の多くは管理会社の従業員として、担当するマンションに配属されます。
マンションの住人と接する機会も多いマンションの管理員の仕事は、住人からの問い合わせの受付や点検の立ち合いなど、さまざまな業務をおこないます。
マンション管理員の業務は、マンション標準管理委託契約書によると「受付業務」「点検業務」「立会業務」「報告連絡業務」の4つに分けられます。
その他、エントランス、共用廊下の掃き掃除、拭き掃除などの清掃業務を兼任することも一般的です。

・管理員業務
管理員が行う業務です。受付等の業務、点検、立会い、報告 連絡業務などがあります。
マンションの現場で働く管理員は、マンションのトラブルを未然に防ぐ役割も担います。
例えば、ゴミ置場やペット飼育などの居住者マナーに対する注意や、設備のトラブル・住人からのクレームの初期対応も管理員の仕事です。この他、災害時の対応や事故などの際には臨機応変で迅速な対応が求められます。

○マンション管理の特異性
マンション管理は双方向と言えます。
管理費等を納付する立場と管理会社・理事会等管理組合業務を行う立場があります。
情報の流れ、管理の方向が一方通行であってはならない。
絶えず互いに働きかけを行い、双方向であらねばならない。
管理費等はしっかり払い、管理業務もしっかり行い、サービスを向上させ業務も充実させ、共にマンションの価値向上を目指すマンション管理は極めて大事です。
払うべきお金は払って、自分達のために働いてもらうとの意識は必要です。
「しっかり貯めて、しっかり無駄なく使い。そしてしっかりと働く」事が重要です。
又、戸数が多ければ管理にかかる費用は、月に専有面積1㎡あたりわずかです。
マンションは多くの人が集まり住む住居です。
このスケールメリットを生かせることが最大のメリットとです。

○マンション管理と資産価値の関係
マンションは動かない資産であり、立地に関しては、外的要因は自身で何とかすることはできません。
一方マンションの管理に関しては、居住者の意識如何によって対応可能です。
つまりマンション管理は内的要因が大きいと言えます。
これは管理がしっかりすることで資産価値は維持できるということです。

◎管理費等滞納者への支払請求について
 マンションの管理費等は、管理組合が共用部分等の管理を適正に行う上で、必要不可欠な資金であり、区分所有者は、管理規約で決められた額を、定められた時期までに、定められた方法により納入しなければなりません。
しかしながら、多くのマンションで滞納問題が発生しているとみられ、管理組合における重要な課題の一つとなっています。

・管理組合は、当該マンションおよび、その敷地・附属施設の管理を行うために必要な経費を、通常、管理費・修繕積立金(管理費等)として区分所有者から徴収しています。
また、区分所有者は区分所有法及び区分所有法に基づく管理規約により、管理組合に対して管理費等の支払義務がありますので、管理組合は管理費等の支払いを区分所有者に当然に請求できます。

・滞納者への措置として強制執行や競売もありえる
管理費・修繕積立金の滞納があると日頃のマンション管理や将来の修繕に影響を及ぼすので、管理組合としては早めに対処する必要があり、管理委託業者経由で何らかの行動を起こすことになります。

○管理費等の滞納
・マンションを購入すると毎月支払うことになる管理費や修繕積立金は、共有部分の管理や修繕のために使われる重要な資金で、区分所有者が公平に負担すべきものです。
ところが、現実には滞納者を抱えている管理組合は意外に多い。
たとえ一部とはいえ滞納者がいれば区分所有者間に不公平が生じることになり、さらにはマンションの管理水準の低下にも繋がります。

・管理組合として、まずおさえておきたいことは滞納管理費等には時効があるということです。
お金の滞納に関しては、消滅時効という時効が存在します。
ちなみに、管理費と修繕積立金の時効は5年と決まっています。
したがって、管理組合が滞納管理費等を回収するうえでは、この5年の時効を成立させないように注意する必要があります。
民法では、時効を成立させない(「中断する」という)ための方法として、請求、差押え・仮差押え、承認等があります。

○管理費滞納の督促
管理費滞納は会計のみならず資産的価値の維持にも支障をきたします。
管理組合の管理費は必要諸経費に基づき算定したものを総戸数(総専有面積)で割って算出しているものでぎりぎりの予算編成になります。
元々余裕をもった算出ではないため滞納が発生すると管理組合の運営に重大な影響を与えてしまいます。
一次的には管理会社が督促業務を行ってくれるのですが、それでも滞納管理費等の回収に至らない場合、最終的には管理組合自身が回収を実行しなければなりません。

一般的な回収手順
1. 手紙による督促
2. 電話による督促
3. 訪問による督促
4. 内容証明郵便による督促
5. 民事調停
6. 支払督促(簡易裁判所)
7. 小額訴訟(簡易裁判所)
8. 通常訴訟
9. 最後は競売請求訴訟

・支払督促
書類審査のみで行う迅速な手続
申立人の申立てに基づいて裁判所書記官が金銭の支払いを求める制度で、相手方からの異議の申立てがなければ判決と同様の法的効力が生じます。
・少額訴訟
少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払い請求を目的とする手続きのことで、簡易裁判所に訴えを提起することで開始されます。申立費用が安く手続きにかかる期間が短く、原則1回の期日で審理が終了し、即日判決が言い渡されます。

◎マンション管理組合と管理会社の関係
管理組合はマンションの区分所有者全員が組合員になり、組合を形成します。
管理会社はそのマンションの管理の仕事を管理組合から請け負い、実務を行います。

管理組合とはマンションの区分所有者全員で組織されており、マンション管理や方針を決定する主体的役割を担っています。
管理組合は各区分所有者から毎月管理費と修繕積立金を徴収し積み立てたお金でマンションの維持管理を行い、住人のルール作りも行います。
所有者全員がマンションの資産価値を維持するための活動を行います。
管理組合には理事会があり、理事長、副理事長、監事などの役割が選任されて組織が形成されています。

管理会社とは管理組合が決定したマンションの管理方針に従って必要な業務を請負う会社です。
管理業務には全面(全部)委託と一部委託があり、事務管理業務、管理人業務、清掃業務、建物設備管理業務があります。
これら業務を全面的に委託するか、一部を委託するかは管理組合が決定することになり、管理会社は区分所有者から支払われる管理費を原資として、全面委託しているときには全ての業務を、一部の場合には一部の業務を遂行します。

・マンションの管理形態には「全部委託管理」「一部委託管理」「自主管理」の3種類があります。
1.全部委託-マンション管理の一切を管理会社に委託する方式。
2.一部委託-管理組合が直接できることは管理組合がおこない、専門業者に直接委託できるところは専門業者に、残りは管理会社に委託する方式。
3.自主管理-管理会社を利用せず、管理組合及び直接契約した専門業者だけで管理の全てをおこなう方式。

・管理委託契約とは
管理組合がマンション管理会社に対して、分譲マンションの管理を委託する契約のこと。
マンションの「管理組合」と「管理会社」が締結する「管理委託契約書」の内容は、多くの場合、国土交通省が公表している「標準管理委託契約書」をベースとして作成されています。

○管理組合と管理会社との関係
マンション管理組合にとって、管理会社は大切なパートナーです。
管理組合がマンション管理の主体ですが、実際には管理業務の多くを管理会社に任せています。
管理組合と管理会社との関係は、相互協力・相互信頼のもとに成り立っていると言えます。
管理会社との付き合い次第が、管理の質に影響を及ぼします。

・マンション管理組合が管理会社に業務を委託すると、マンションごとに「フロントマン」と呼ばれる物件担当者が決められます。
フロントマンは管理組合の理事会や総会に出席して、管理組合の運営をサポートするなど重要な役割を担っています。
管理員などのマンションの現地で働く管理スタッフは、マンションの住民にとって接する機会が多い身近な存在です。
スタッフの能力には差があり、不都合があれば理事会を通して管理会社に改善を要求することも必要です。
当然、管理会社の怠慢な業務については、しっかりと注意を行うことも重要です。
しかし管理員などのスタッフに対しては、敬意をもって接することも重要です。
管理会社のスタッフに対しては、管理組合に愛着を抱き、このマンションのためなら一生懸命頑張ろうという気持ちを持ってもらえるように接していくことも重要なことです。

○マンション管理組合と管理会社の関係性
理事会のメンバーの多くは、自分の仕事を持っている傍ら理事の仕事も行うため、普段から居住者の苦情の窓口となったり、点検会社と交渉する時間がなかなか取れないのが現実です。
また、マンションの管理業務は非常に幅広く、専門的な知識も要求されます。
通常、管理組合を構成する区分所有者は管理に関しては、あくまで素人です。

そこで、こういった普段の業務は管理会社に委託し、マンション管理組合の住人窓口や書類作成、会計管理等は管理会社に任せ、方針や最終的な判断は理事会等管理組合として行います。
管理会社は、管理組合より業務委託を受け、管理組合運営をサポートします。
管理会社の担当者と協力しながら、煩雑・複雑な業務等は依頼・相談し、有効活用するのが委託の主旨です。

マンションの管理状況は、マンションの資産価値に直結します。
築年数が経てば経つほど、管理状況の良し悪しで建物の状態が変わっていき、資産価値にも影響します。
信頼の置ける管理会社を選び委託する事が極めて重要です。

○管理費等の使い込みや横領等の事件は、全国的にも管理組合内部及び管理会社との関係において発生しています。
 管理組合として印鑑・通帳(預金通帳等)の保管方法及び月次会計のチェック、特に年度末には、通帳残高と
 貸借対照表の普通預金残高との金額の照合確認を行うことが大事です。

○管理会社は営利企業として管理組合の利益より管理会社の利益を優先する場合もあり、企業本来の立場から、
常に管理組合の立場に立って管理組合を支援し、資産価値の最大化が図られるとは言い切れない。
又、多くの管理業者が一括で管理受託をし、専門的な面からの助言、支援等を管理委託契約に基づき行っているが、
全ての管理業者が可能な訳ではなく、管理業者に差があるのは事実です。
多額の管理委託費を払うに値する管理業者であるのか、常に検証は必要です。

○自分たちのマンション、管理は「自分ごと」と考えて、管理会社の仕事をしっかりチェックするのが大切です。
 つまり、あくまでも管理の主体は管理組合側にあるということです。
お金を出して委託している以上「あまり言うと、うるさいと思われるのでは」と遠慮せず、また「面倒くさい」と放置せずに、自分たちのマンションをしっかり守っていく必要があります。
 管理組合がしっかりと機能し、管理会社に適切な指示が出せると、自分たちが本当に住みやすい環境を作っていけます。
 管理を丸投げしないことで、きちんとマンションの資産価値を守るだけでなく向上させることもできます。

★管理会社の変更
○マンション管理会社を変更(リプレイス)はマンションの住人にとって非常に影響を及ぼす事柄です。
マンション管理組合が、管理業務を委託する管理会社の変更を検討する場合には「メリット」と「デメリット」をしっかりと把握した上で管理会社の変更は慎重におこなう必要があります。

・管理会社の変更を検討する場合には、管理会社を変更する理由について十分に整理をおこなうことが必要です。
管理委託の削減が目的の場合には、管理会社の変更は有効な方法と言えますが、物件担当者への不満が引き金になった場合には、問題の本質が管理会社の企業体質であるのか、担当者レベルの問題あるのかを検証する必要があります。
担当者レベルの問題であれば、管理員や担当者(フロントマン)の交代だけで問題は解決します。
しかし、会社ぐるみで管理組合の信用を失墜させるような行為が行われたとか、管理組合の財産が毀損されたというような場合には、管理会社の変更(リプレイス)を検討せざるを得ません。
まず、理事会で冷静に管理会社の変更が必要であるか慎重に検証することが大切です。

・マンションの管理会社は、マンションの住み心地や資産価値を守る重要な役割を担っています。
ですから、マンション管理会社に満足が出来ない場合には、管理会社の変更も選択肢に成りえます。
管理会社を変更することで、管理の質の向上やコスト削減につながる場合もあるからです。
しかし、管理会社に不満があれば、ますは管理会社の変更を検討する前に、管理会社に対して改善の申し入れするのは当然のことです。
それでもなお改善されない場合に、はじめて理事会で管理会社の変更について検討をはじめます。
「なぜ管理会社の変更が必要であるか」を冷静に検証することが、管理会社の変更を検討する事前段階で不可欠です。

○マンション管理会社を変更するメリット
一般的にマンション管理会社の変更に最も期待することは管理委託費の削減です。
マンションの分譲時にはデベロッパー系列の管理会社が管理することが決まっていることが多いため、一般的には管理委託費は高めに設定されています。
そこで「独立系の管理会社」も含めた複数の管理会社から相見積りを取得して、競争原理を持ち込むことで管理委託費用の削減が可能となります。
マンション管理会社の変更を検討する過程で、説明会やアンケートの配布などがおこなわれるため、組合員のマンション管理に対する関心が高くなり、組合員のマンション管理に関する知識の向上にもつながります。

○マンション管理会社を変更するデメリット
マンション管理会社を変更することで、管理委託費の削減は多くの場合達成できます。
一方で管理のクオリティに関しては、必ずしも維持もしくは向上させることができないこともあります。
新しい管理会社選びは、「費用面」だけではなくて「質」も重視していかないと、前の管理会社の方が良かったといったことにも成りかねません。

・管理会社を変更することにより、これまでより「管理委託費が削減」された、以前よりも「管理業務の質(クオリティ)が向上」したと満足するケースも多数あります。
一方で、「管理委託費は安くなった」が「管理の質が低下」して管理会社の変更を後悔する可能性もあります。
マンション管理会社の変更(リプレイス)を成功させるには、前の管理会社より、マンション管理のクオリティを下げない管理会社を慎重に選択することが最も重要なことです。

・「管理会社や担当フロントマンへの不満」と「管理費や修繕積立金など資金の不安」がきっかけとなって管理会社の変更を検討されているようです。
多くの管理組合が管理会社の変更に求めているのは、管理費を削減することだけでなく、『管理の質の改善』と『管理費の削減を通じたマンション会計の改善』にあります。

〔アンケートで居住者の意向を確認する〕
理事会の意見だけでは、管理会社への評価が偏ってしまう可能性があります。
居住者に対して「管理会社の満足度について」のアンケートを実施し、組合員の意向を確認することも必要です。

○管理組合から管理会社を変更する方法
1.管理会社の募集
2.管理会社による現地調査と見積もり取得
3.管理会社によるプレゼンと内定
4.管理会社との契約確認
5.重要事項説明会と臨時総会
6.新管理会社による管理スタート

・管理会社の変更には多少なりとも苦労が伴いますが、管理会社を変更した管理組合は、管理の質の改善、管理費の削減と修繕積立金の改善を実現しているようです。
管理組合と管理会社との関係は信頼関係の有無、適正管理を行う気概の有無にあります。
現在の管理会社に疑問があれば、長く安心してくらせるマンション実現のために、管理会社の変更を検討してみることも重要な方策です。

○区分所有者の共通の利益
 区分所有者の共通の利益は、区分所有権(建物)と敷地利用権(敷地)という財産権の維持管理であり、区分所有者の代表者には、これら財産的価値の最大化(区分所有建物価値の最大化)が求められます。
 即ち、区分所有者の代表者は、「同品質なら最も安く、同価格なら最も高品質な管理サービスを選択し、それにより区分所有者の財産権の価値の最大化(区分所有建物価値の最大化)を図る」責務を負っており、これを怠ることは適正な管理事務の履行に反することになります。

◎「マンション会計」とは、マンションにおける“金”の管理です。
 マンションの管理組合は営利を目的とした団体ではありません。
税制上は公益法人とみなされるため、その会計処理は公益法人会計を準用します。
マンション会計とは、管理組合が有する金融資産の収支状況を区分所有者に説明すべく、一定のルールに従って集計・記録したマンションの経済状態を評価するための経理処理をいいます。
会計報告を通じ、全区分所有者は管理組合資金の使途や収支を把握できるのです。

マンション管理には、確固たる財源が必要です。
その財源が「管理費」と「修繕積立金」です。
マンション管理は、この2つを財源として行われるのです。
マンションの場合、多くの区分所有者(組合員)でお金(管理費等)出し合って、皆の共有財産(共用部分)を管理しますので、皆のお金がどういった目的で、どのように使われているのかをしっかりと管理して、財産状況を確認して管理組合の資金情報の共有化を図る必要があります。

 マンション会計は、それぞれの用途に応じて区分して管理しなければならない。
①日常的に出し入れするための会計…一般会計(管理費会計)
②将来的な修繕に備えるための会計…特別会計(修繕積立金会計)
③目的を定めそれに応じた会計…目的別会計

○機械式駐車場使用料の扱いについて
マンションに機械式駐車場の設置に関して、その維持及び修繕には多額の費用を要することから、その使用料収入の扱いについては将来的に課題があります。
 マンション標準管理規約(単棟型)第29条(使用料)は、「駐車場使用料その他の敷地
及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金と
して積み立てる。」と規定しています。
また、同コメント第29条関係は、「機械式駐車場を有する場合は、その維持及び修繕に多額の費用を要することから、管理費及び修繕積立金とは区分して経理することもできる。」としています。
さらに、「マンション管理標準指針」では、「管理費会計と修繕積立金会計に区分している。」ことを「標準的な対応」とし、「機械式駐車場等で維持管理に多額の費用を要する施設を有する場合は、駐車場使用料会計等を管理費会計及び修繕積立金会計とは区分している。」ことを、「望ましい対応」としています。
これによりマンション会計を「管理費会計、修繕積立金会計、駐車場会計の3会計」に区分経理しているマンションも少ないですが現れているようです。

維持修繕に多額の費用を要する「機械式駐車場」の会計処理をどうするか。
機械式駐車場使用料収入を駐車場維持管理に充当するために、別会計とするかどうかです。
マンションの適正維持管理の為にも、多くのマンションで行われている管理費会計、修繕積立金会計の区分会計に駐車場会計を加えた「管理費会計、修繕積立金会計、駐車場会計の3会計」の区分経理への見直しが必要なのかもしれません。

○マンション会計の特有原則
・区分経理の原則~収支決算案は会計区分ごとに作成します。
管理費は日常管理に要する費用に充当される金銭、修繕積立金は計画修繕の費用に充当される金銭です。
両者は金銭の性格がまったく違います。使用目的が異なります。
管理費は管理費勘定で仕訳し、修繕積立金は修繕積立金勘定で仕訳しなければなりません。
いかなる場合も相互振り替えせず、常に別勘定にて会計処理を行おうというのが区分経理の原則です。

・予算準拠の原則~管理組合は限られた予算で最大の効果を上げなければならない
管理組合は企業と異なり利益を追求しない非営利団体です。
管理組合の性格は公益法人や官公庁のそれに近いため、決められた予算内でいかに効率よく目的を達成するかが至上命題となります。
無用な支出を避け、限られた収入で最大の効果を上げる必要があるのです。
そのため予算が非常に重要な役割を果たすのです。
支出上限(予算)が明確に定まっていれば、実績と対比しながら無駄のない支出管理が可能になります。
これが予算準拠の原則です。
収支の差額を絶えず意識することで、計画的な金銭管理の実現を目指します。

・発生主義の原則
事業年度内に発生したすべての収入・費用・資産・負債を計上します。
※発生主義の原則:「すべての費用及び収益はその支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない」とする原則。

○マンション管理組合の会計・監査
管理組合の財務会計は、マンションの管理運営の要です!
管理会社の委託費が妥当なのか、月次報告はちゃんと行われているのか、管理仕様書どおりに点検・清掃されているかなどの業務監査はもちろん大変重要です。
一方、予算どおりに執行されているのか、請求書どおりの支払になっているのか、決算は適正に処理されているのかなどの会計監査は、組合にとっては生命線いうべき重要性があります。

・管理組合の大事な財産を守るための会計・監査の要点
マンション管理組合の財務会計処理には特別に決まったルールや法律が無いのが現状です。
管理組合財務会計は「収入および支出は予算に基づいて行わなければならない」とする予算準拠主義に依拠しています。
管理組合財務会計の目的は、マンションの管理・修繕を最小限の費用で、最大限の効果を得るための会計指標を明瞭に表示するということになっています。
しかしながら企業財務会計と異なり外部の厳しい目に触れることもなく、管理組合や理事会が無関心であったり、監事は会計監査において管理会社から信憑書類や領収書や通帳も提出される事なく、掲示された会計結果にたいして簡潔な説明を受けただけで、そのまま同意する形で通してしまい、信用リスクの低下やひいては横領などのトラブルに巻き込まれるケースが見受けられます。
適正なマンションの財務会計を行う上でも今一度、管理会社と管理組合の財務会計を見直し、適正な財務会計処理に務めなければならない。

・貯蓄と節約はマンション会計の両輪
貯蓄~管理費等の徴収、滞納者対応,節約~無駄のない会計、無意味な支出は行わない、使途不明金を出さない。
「しっかり貯めて、しっかり使う」、これが大切です。

★マンション購入後にかかる費用として、
・修繕積立金
・管理費
があります。
マンションには、区分所有部分(専有部分)と共用部分が存在します。
区分所有部分は購入した人が修繕することになりますが、共用部分の修繕は、区分所有者全員から集めた修繕積立金から支払うことになります。
したがって、共用部分を区分所有者が勝手に造作することはできません。
修繕では、管理組合が修繕計画に従い修繕積立金を使います。
実際には、修繕計画通りにいくとは限りません。
自然災害などによって大規模修繕以外で修繕積立金を使う場合もあります。
修繕積立金は、修繕をするために積み立ててある資金です。
マンション売却時に、支払った修繕積立金は返ってきません。
場合によっては、修繕積立金が不足することもあります。
不足している場合には、追加費用を徴収されることになります。原則、拒むことはできません。
当然のことながら、これも返ってくることはありません。
さらに、マンションを管理するためには、共用部分の電灯、エレベーターなどの電気代、清掃費用などさまざまな費用がかかります。
その費用として、管理費というものがあります。
管理費もマンション売却時に返ってはきません。
一見不合理に感じますが、これら費用はマンション管理を支える非常に重要な費用であるということは理解して下さい。
まとめると、
・支払った修繕積立金は返ってこない。
・支払った管理費は返ってこない。
ということです。
これがマンションを購入し、管理組合員・区分所有者になるということです。

◎管理費とは?修繕積立金とは?
・管理費
マンションの日常的な管理に充てる為、定期的に行われる点検や清掃等、軽微(1~2万円程度)の修理費用等のために徴収する金額です。
・修繕積立金
管理費の項目に該当しない一般的な工事費用、10~15年程度に1度実施される、大規模修繕工事のために徴収する金額です。

・標準管理規約では
標準管理規約では以下のように定められています。

第25条(管理費等)
区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
 一 管理費
 二 修繕積立金
2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

第27条(管理費)
管理費は、次の号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
 一 管理員人件費
 二 公租公課
 三 共用設備の保守維持費及び運転費
 四 備品費、通信費その他の事務費
 五 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
 六 経常的な補修費
 七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
 八 委託業務費
 九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
 十 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
 十一 管理組合の運営に要する費用
 十二 その他敷地及び共用部分等の通常の管理費要する費用

第28条(修繕積立金)
管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
 一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
 二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
 三 敷地及び共用部分等の変更
 四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
 五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全員の利益のため
    に特別に必要となる管理

△「修繕積立金」の積立方式について
修繕積立金の徴収方法は、段階的に徴収金額を増額していく「段階増額積立方式」と早い段階で適切な金額まで増額し、その後は長期間にわたり一定金額で徴収する「均等積立方式」の2種類があります。
新築マンションの場合は、ほとんどが「段階増額積立方式」を採用しており、購入時は修繕積立金が安く設定されています。
多くのマンションで「段階増額積立方式」を採用しているのは、販売時のランニングコストを低く見せるためですが、それが原因で修繕積立金不足マンションが多数発生しているのです。
「段階増額積立方式」は区分所有者への負担が後々増えるため、この増額の合意形成が、段階増額方式の懸念点として挙げられています。
段階的な増額の注意点として、増額のタイミングを先延ばししないことです。
一方、均等積立方式では、建物や設備の維持管理に生涯必要となる費用を竣工当初からできるだけ均等に按分して負担する、という考え方です。比較的築年数が浅いうちは、段階増額に比べて割高になります。
長期にわたって金額の変更がないので、増額のための合意形成について度々取り組む必要がなく、国土交通省が推奨している徴収方式です。

○定期的なメンテナンスがマンションの寿命を延ばし、価値を高めます~マンションの修繕積立金とは
マンションも一戸建て住宅同様、年を追うごとに劣化します。
タイミングよく適切な補修や修繕、設備の交換などが必要です。
快適な住環境を守るために「長期修繕計画」を作成し、その計画に基づき、修理の費用を積み立てていきます。
これが「修繕積立金」です。
建物状況の回復に加え、時と場合に応じて仕様や設備を新しくするなどして住環境のグレードアップを図り、資産価値の維持・向上に努める必要があります。そのために妥当な額の修繕積立金が必要なのです。
マンションの修繕積立金が安すぎて、いざ大規模修繕工事をしようとしても積立金が足りない、このような事態を避ける為にも、管理組合がイニシアチブをとって、適正な費用できっちり修繕と管理をしていくのがベストです。
長期修繕計画書の見直しは5年が目安です。
会社や家計と同じように定期的に計画を練り直し、その都度適切な処置を行うことで、マンションの資産価値が守られます。

◆新築マンション販売時の安すぎる積立金
多くのマンションで修繕積立金が不足して、大規模修繕ができない状況が問題となっています。
なぜ、こんなにも多くのマンションの修繕費が不足するのでしょうか。
理由は、新築時のマンションの販売価格を下げていることが原因のようです。
ではなぜ足りなくなることがわかっているのに、新築時は安い設定にしているのでしょうか?理由は、安いほうが売りやすいからです。
購入希望者にとって、住宅ローンと管理費・修繕積立金の合わせた総額は大きな判断材料です。
そこで、分譲会社は購入を検討してもらえるよう、少しでも安く抑えた総額を作るために修繕積立金を安く設定します。
また、新築当初はいきなり大きな工事が発生する可能性が低いため、安くできるのです。
販売時のセールスでは「不足した場合は管理組合の話し合いで」と言いますが、「管理組合の話し合い」で値上げを合意するのは困難といえます。
そのため10年以上経ち、大規模修繕工事に突入する時期になると大きな費用が必要となり、多くの組合で不足が発生しているのが現実です。
これに対し、新築時は修繕積立金が抑えられていても、合意形成を重ね徐々に平均並みへ値上げしていくマンションが多いのも事実です。

☆マンションの消防設備
○マンションの消防設備
マンションのように多くの方が生活する建物では火災に備えて消防設備が設置されています。
消防設備とは、自動火災報知設備、消火器、避難器具、誘導灯、非常ベルなどのことです。
これらの消防設備が故障していては、火災発生時にこれらの消防設備が確実に動作するように定期的な点検が義務付けられています。
マンション管理組合がこうした点検の実施にあたってはマンションの居住者の協力が得られずに点検の実施率が低いといった課題も抱えています。

火災の発生を感知・周知・通報するための「自動火災報知設備」や「非常警報設備」、住人がおこなう初期消火のための「消火器」や「屋内消火栓設備」、居住者が避難するための「避難器具(避難はしごなど)」や「誘導灯・誘導標識」、消防隊が消防活動に使用するための「連結送水管設備」など様々な設備があります。
また、大規模のマンションでは「非常コンセント設備」や「スプリンクラー設備」の他、機械式駐車場では「移動式粉末消火設備」や大型の立体駐車場に設置される「泡消火設備」などもあります。

○消火設備
身近な消火設備
・消火器
マンションに設置される消火器は、共用廊下などに歩行距離20m以内ごとに設置されています。
消防訓練などで実際に操作をおこなって使用方法になれておく必要があります。
消火器にも「粉末消火器」「泡消火器」「二酸化炭素消火器」といった様々な種類がありますが、最も普及しているは、粉末消火器です。

◎マンションの防火管理者とは
区分所有マンションでは、収容人員数が50名以上、店舗など併設している場合には30名以上のマンションにおいて防火管理者の選任が義務づけられています。
防火管理者は消防法によって定められた制度で、火災の発生を未然に防止し、万一火災が発生した場合には、その被害を最小限にとどめる役割を担っています。

*甲種防火管理者
大規模な防火対象物や、火災発生時に人命への甚大な被害をもたらすと考えられる施設(福祉施設を含む)を含む、全ての防火対象物の防火管理者となる資格です。
たとえば、
・不特定の人が出入りする建物(映画館・病院・複合商業ビルなどの特定防火対象物)で、収容人員が30人以上、かつ延べ床面積が300平方メートル以上
・特定の人が出入りする建物で、収容人員が50人以上、かつ延べ床面積が500平方メートル以上
・特別養護老人ホーム・グループホーム・障害者支援施設などの福祉施設(特定防火対象物のうち6項ロの区分に該当する施設)で、延べ床面積に関係なく収容人員が10人以上

※防火管理者に必要な資格は消防法令に定められており、防火管理に関する知識および技能を有し、管理的または監督的な地位にある者を選任するとされています。
防火管理者には甲種防火管理者と乙種防火管理者があります。
建物の用途や収容人員等により、甲種防火管理者の選任が必要であったり、甲種または乙種いずれかの防火管理者の選任が必要であったりします。
分譲マンションなどの共同住宅は「非特定用途の防火対象物」といい、収容人員が50人以上の場合に防火管理者の選任が必要となり、延べ面積が500㎡以上の場合は、甲種防火管理者の選任が必要です。
したがって、多くの分譲マンションでは甲種防火管理者を選任しなければならないということになります。

*防火管理者の主な仕事
・消防計画の作成と消防署への届け出
・消防訓練の実施
・マンション内消防設備等の巡回点検等をおこなう

*消防法第8条では、管理権原者はマンションの防火管理者を選任し、防火管理者をして消防計画を作成させ、これを所管の消防に届け出なければならないと定められています。
マンション管理組合の理事長は、マンションという共同住宅の「管理権原者」とされ、マンションの防火管理に関する最終責任者に位置付けられます。

そして、理事長は、火災や地震などの災害から自らのマンションを守るために、防火管理者を定めて、必要な防火管理業務を行わなければならないと法律に規定されています。
ここで定められている防火管理業務とは、具体的には防火管理者の選任、消防計画の作成、また年1回以上の消防避難訓練の実施などのことを指します。

○防火管理者のなり手不足
一定規模以上のマンションでは、防火管理者を選任して、消防署へ報告しなければなりませんが、住人から防火管理者の担い手を見つけるのは難しいようです。
ハードルになっているのが、防火管理者資格を取得するためには、消防署が主に平日に開催する講習に2日間連続出席する必要があるからです。
また、防火管理者に就任することで責任が生じることも敬遠される理由のひとつです。
防火管理者のなり手不足の問題は多くの管理組合が抱える共通の課題です。

分譲マンションでは、これまでは住人が防火管理者に就くのが一般的でした。
しかし、マンションの住人から防火管理者のなり手を見つけることが困難な管理組合が増えています。
理由としてあげられるのが、防火管理者は責任が重いことで敬遠されがちなことや資格の取得に手間が掛かることです。このため、防火管理者を住人以外の外部のプロの専門家に委託する管理組合が増えています。

△マンションの防災対策
・大地震が発生すると、マンションの建物の被害をはじめ「電気」「ガス」「水道」「通信」等のライフラインも大きな被害を受けます。
大地震発生直後は管理会社などの外部からの支援は期待出来ないため、対応はマンションの住人で実施せざるを得ない事態もありえます。
事前に災害対策委員会等の組織を立ち上げていても、災害発生時に、そのメンバーが必ずしもマンション内にいるとは限らないことを認識した上で、理事会が中心となって災害時の対応策の検討をおこないます。

・緊急時に必要な居住者名簿
災害発生後は、管理組合がマンションの住民の安否を確認することからはじめます。
こうした事態に備えて、居住者の連絡先などの情報を集めておく必要があります。
マンションにおける名簿といえば、入居の際などに管理会社に提出する区分所有者の情報があります。
これは主に管理費等の徴収先の把握を主な目的としています。
緊急連絡先や家族構成についても管理会社が把握している場合もありますが、個人情報保護の観点から原則としてこうした情報は、理事会には開示されません。
しかしながら、災害発生等の緊急時においては緊急避難的に管理会社から名簿提出を受け、居住者の安否確認に務めなければならない。
こうした事情から災害時に利用するための居住者名簿を作成する必要性がでてきます。
名簿を作成する場合には「災害発生時以外には閲覧利用しない」などの一定のルールのもとマンションの住人から自己申告で情報を収集します。
「災害用居住者名簿」については、管理組合独自で作成するよりも、管理会社との連携協力の下に作成することが効率的と思われます。

ただし、こうした個人情報はプライバシーを侵害する恐れがありますので、整備にあたってはその取扱いに厳重な注意が必要です。また、マンションの住人は日々入れ替わりがあるので情報の更新を怠らないようにします。
まずは安否確認が第一、その後、非難・消防行政等との連絡連携協力、自助共助公助と続きます。
尚、避難に関し、災害に応じて在宅避難(高層階)・マンション内の安全場所への避難等を考慮すべきと思います。

◎マンション防犯対策
金か、物か。何を目的にするかによっても犯行の手口は異なる。
たとえば、部屋に忍び込み金目の物を盗む侵入犯、駐車場からカーナビだけでなく車そのものを持っていく車両窃盗犯、住戸の鍵穴にボンドを注入し鍵を差し込めなくする悪質ないたずら、また子供や女性を狙う痴漢や暴漢などの犯罪がマンション内では起きており、犯罪ケースは多岐に及びます。

マンションには様々な人が出入りしますから、不審者が紛れ込んでいてもなかなか気付かないものです。
マンションでは他人の目があるといっても、実際に犯罪が起こることはよくあります。
マンションの場合、一般に、オートロックであれば安全性が高いと言われています。
しかし、オートロックのマンションでも、来客を装い、空き巣が侵入してくることはあります。
建物の入口がオートロックになっていても、ほかの人が出入りするときに一緒に入れば、建物内に簡単に侵入できてしまいます。
また、電気・ガス会社関係者を装い、住居侵入をしようする事案が発生しております。
「○○ガス協会」などと名乗り、電話をかけ、あるいは訪問し、アンケートと称して家族構成などの個人情報を聞き出そうとすることなどです。

・犯行は見つからないように行われる。
「発見機能」という意味では、防犯カメラを挙げる人もいるだろうが、防犯カメラは“犯行の瞬間”を発見できない。
録画データによりどんな人物が侵入したかを確認するためのもので、防犯上の機能分類としては、“捕まってしまうかもしれない”と思わせるための「威嚇機能」にすぎない。
しかし、防犯カメラがあることをアピールすることで犯罪抑止効果はあります。

[対策]
 安易に相手を信じ、玄関(オートドア)を開けないこと。
 一度、不審者をマンション内に入れれば、自由勝手にマンション内を徘徊し、様々な被害発生の虞があります。 

○防犯カメラ
・マンションの防犯カメラの最も大切役割は犯罪を抑止することです。
不審者の侵入を防いだり、マンションでの不法投棄、ゴミ捨てのトラブルが減るなどの効果が期待できます。
マンション管理組合での防犯カメラの導入方法には、買取のほか、リース・レンタルで運用するケースもあります。
防犯カメラが設置していないマンションでもセキュリティレベルを上げるために後付けで防犯カメラを設置することも可能です。

・防犯カメラが持つ最大の効果といえば犯罪の抑止力の向上です。
防犯カメラが持つ犯罪抑止効果を最大限に発揮するには、建物に侵入する前段階で防犯カメラの存在を犯罪者にアピールすることです。
犯罪者は心理的に「誰かに見られている」ということを一番嫌うため目立つ場所に設置してこそ犯罪を未然に防ぐことにつながります。
防犯カメラを設置した際には「防犯カメラ監視中」といった張り紙をすることで、さらに防犯カメラがあることをアピールできます。

・マンションで防犯カメラを設置した場合には、プライバシーや個人情報保護のために、防犯カメラの運用ルールを制定する必要があります。
防犯カメラの設置は「犯罪」や「いたずら」から「粗大ごみの放置」などのマナー違反まで、抑止力の強化と実際に事件がおきた場合の当事者特定の役割を担います。
マンション内でのプライバシー保護に配慮しつつ、こうした犯罪行為やマナー違反が起きた場合に速やかに対応できる「防犯カメラの運用細則」を作成する必要があります。
防犯カメラ運用細則の「作成」や「変更」が、管理規約の内容の変更に該当しなければ原則的には「総会の普通決議」によって制定することが可能です。

○日々の防犯対策
・毎日の習慣が防犯対策になる!
・共同玄関から自分が入るときに不審者が一緒に入ってこないように注意している。
・在宅時にも必ず鍵を閉め、ゴミ出しなど短時間家から出るときも必ず鍵を閉める。
・ご近所さんとは顔見知りになって挨拶程度はするように気をつけている。
・相互に気を配ることが大事!犯罪は人によって起こるものなのでまず人をよく見るように。
・不審者へ声かけをしている。
・ご近所さん、管理員さん、管理会社との連携を大切に。
常に警戒と防犯意識を持って隙を見せないこと、近隣の方々への挨拶や、不審者への声かけなどが大事です。
日々の積み重ねが大事なのです。

「新築だから」「オートロックだから」「高層階に住んでいるから」と心のどこかで油断をしていませんか? もしそうであったなら今日からでも、近隣住民や警備員、管理員、管理会社とのやりとりを密にして、ご近所さんとコミュニケーションをとるようにしてみませんか。常日頃から住民みんなでちょっとずつ気を配っていることが最大の防犯につながるのではないでしょうか。

○マンションに於ける不法侵入または住居侵入
(住居侵入等)刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

・オートロックのマンションはどこからが不法侵入または住居侵入なのか?
警察に検挙される事案を考察しても、住居侵入罪が単独で適用されることは極めて少ないことが特徴です。
業務上も含めて正当な理由がない場合、例えば空き巣や泥棒などは、マンションの敷地に足を踏み入れても住居侵入罪になります。
一般論として、何のためにマンションを訪れたのかによって、適用のされ方が全く違うということになります。
刑法 130 条の客体は、条文上、「住居」、人の看守する「邸宅」・「建造 物」・「艦船」ですが、ここにいう「住居」、「邸宅」、「建造物」には、 建物のみならず、その周囲の敷地もまた、一定の要件のもとで、含まれると解されており、そのような敷地は、一般に、「囲繞地」と呼ばれて います。
(130 条の客体たる「住居」、「邸宅」、「建造物」には、建物のみならず その敷地も含むとするのが判例 、通説です。)

・住居侵入罪|『人の看取する邸宅』は『塀で囲まれた敷地』が典型
<住居侵入罪|基本的解釈論>
『人の看守する』の解釈~『事実上の管理・支配』を意味する※最高裁昭和59年12月18日
『人の看守する邸宅』の具体例~囲い(塀)で囲まれた敷地
 敷地が住居侵入罪の対象となる要件|判例~次のいずれにも該当する場合
ア 建物に接してその周辺に存在している。
イ 建物の付属地として,建物利用のために供されていることが示されている。
例;管理者が門塀等の囲障を設置してある
※最高裁昭和51年3月4日;判決上では『囲繞地』と呼称している。

◎マンションの給水設備
マンションにおける給水設備の最も大切な役割は、「必要な水量」の「安全で良質な水」を、「適正な圧力」で各住戸の末端まで供給することです。

マンションの給水方式には、水道本管の水圧を利用して給水する「直結式給水」と水道本管から分岐し、いったん受水槽に受けてから給水する「受水槽式給水」があります。
直結式給水方式には、①水道直結方式と②直結増圧給水方式があります。
衛生的な水を供給するためには、「水を貯めない」「短時間・短距離で供給」することが必要です。
その点で、受水槽を用いない直結式給水は衛生面で優位に立ちます。
・水道直結方式
道路内の水道本管からの給水圧力により直接各戸に給水する方式です。
適用建物としては、マンションでも低層で小規模なものに限られます。
・直結増圧給水方式
水道本管から分岐して引き込んだ水を、増圧ポンプを経て直接各住戸に給水する方式です。
つまり、水道管の水圧に加圧し、水道本管から直接供給する方式です。
この方式は、中規模の中高層マンションが対象となりますが、増圧給水ポンプを直列に設置して、より高層階に給水するものや増圧給水ポンプを並列に設置して、より大規模なマンションに供給するものもあります。
できるだけ水質を落とさずに各戸へ供給できる給水方式として、近年脚光を浴びているのが直結増圧給水方式です。
水道直結増圧方式で停電が生じた場合、増圧ポンプは停止しますが、直結式であるため、水道本管の給水圧力は生きています。高いところまで水をおしあげることはできませんが、下層階では引き続き給水が可能です。

・受水槽式給水方式
受水槽式給水方式には、①高置水槽方式、②ポンプ直送方式(加圧給水方式)があります。
停電が生じた場合、高置水槽方式では、揚水ポンプは停止するものの、高置水槽に残っていた水は重力で給水できます。ポンプ直送方式では、停電でポンプ等が止まり、受水槽から水を引き出せなくなるため、給水は不可能となります。

最近では、多くの自治体が貯水槽を介さずに給水する「直結給水方式」を推奨しています。
東京都が平成7年10月に初めて認可して以降、他の自治体の水道事業者でも認める所が増え、現在は多くのマンション給水方式として採用されています。
直結給水方式が推奨される理由
各自治体が直結給水方式を推奨するのは、大きく2つの理由があります。
1.貯水槽内の衛生状態への懸念
法律上は、貯水槽の設置者が水質も含め、責任を持って維持管理することになっていますが、必ずしもすべてが良好に維持管理されていないため、貯水槽水道における残留塩素の低下や水質の変化等が問題となっています。また、以前よりも貯水槽内の水が滞留する時間が長くなり、その結果、水中の残留塩素の濃度が低下し、衛生状態が悪化するケースもあります。
2.直結方式で給水可能な建物の増加
近年、増圧ポンプの口径が拡大されるなど、給水装置の技術開発が進んだため、貯水槽を経由しなくとも水道から各住戸に直接給水できるマンションが大幅に増えたという事情があります。さらに、これまでは不可能と考えられていた20階以上の高層マンションでも、増圧ポンプを多段階に設置すれば直結式の給水が可能になっています。

管理組合にどう助言するか?
分譲マンションの長期修繕計画では、築20~25年の時期に古くなった貯水槽を単純更新する予定になっていることが多いと思われます。
しかし、技術的には以前に比べて管理組合の選択肢が広がっていることをまず認識すべきでしょう。
そのうえで、必ず所管の自治体に事前に相談するとともに、衛生面でのリスクや将来の経済的負担のあり方等を踏まえたうえで検討を進めるよう助言することが必要です。

◎高圧受電契約は安い単価で電気を使用できる!
電気を利用する契約は大きく分けて「高圧受電契約」と「低圧受電契約」があります。
各家庭にある電源は、通常、一般的な100Vのコンセントとエアコンなどに使用する200Vのコンセントの2種類です。
しかし、電力発電会社が発電して送り出す電気は約27万5千V~50万Vと超高電圧です。これを街中の電線に配電されるまでに変電所で6600 Vに落として電信柱の電線に流します。そして、これを建物近くの設備や、電信柱に設置した変圧器で100 Vと200 Vの電圧に落とします。
この最後の変圧器を管理しているのが電力会社である場合「低圧契約」といいます。

一戸建ての家庭や多くのマンションやアパートなどは各戸で電力契約する低圧契約です。
一方、この従来の契約と異なり、変圧器を管理しているのが建物のオーナーや管理組合である場合「高圧一括受電」といいます。
なぜ、このような高圧一括受電という契約をするかというと、低圧契約より電気代が安いからです。
高圧受電契約は電力会社の変圧器を通さずに電気を利用するため、安い単価で電気を使用できます。
高圧契約は低圧よりも電気の単価が安いのが特徴です。

・一括受電サービス会社、新電力会社
2005年4月から、契約電力が50kW以上(高圧)ならば新電力会社と契約できるようになったことで利用可能になりました。
マンションの場合は、大体40戸以上の規模だと50kW以上に当てはまり、この契約が可能になるケースが多い。そのためマンションの高圧一括受電契約数は年々増加傾向です。

高圧一括受電マンションとは
マンションの管理組合やサービス業者(高圧電力販売を扱う電力会社)などが高圧の安い電気を電力会社から購入し、その電気を自らの高圧受変電設備(キュービクル)で100Vや200Vに変圧し、マンション内の共用部分及び専有部分に供給しているマンションです。
建物の敷地内に「高圧受電盤」などと記載のある設備があれば高圧一括受電のマンションです。

・マンション住まいであれば、「高圧一括受電」という方式が利用できます。
高圧一括受電とは、共用部分及び専有部分を含め電力会社と結んでいた低圧電力契約を、マンションの管理組合やオーナーがまとめて安価な高圧電力契約に変更する方法です。
これにより電気代を5%から30%削減できます。
このように高圧一括受電という契約にすると、低圧契約より電気代が安くなります。

高圧一括受電とは、要するに電気を大量に購入して安く仕入れ、それをマンションの共用部分及び専有部分に配ることです。
料金プランは電力会社によって異なりますが、エレベーターや廊下などの共有部は10~40%、室内など住人ごとの専有部は平均で5%程度安くなります。
電気代がどれぐらい安くなるかは、マンションのオーナーや管理組合が加入している料金プランによって異なります。
料金プランを大別すると「共用部のみ」「共用部と専有部」「専有部のみ」があります。
既存のマンションの場合は、低圧契約を各家庭がしているため、共用部のみにするケースがほとんどです。

・一括受電サービス会社の電気料金削減プランで効果が大きいのは共用部プランです。
1.共用部プラン
管理費において大きな割合を占めるエレベーターや共用部の照明などの電気料金を削減するプラン。管理費の削減や修繕積立金の不足分を補うことができます。
共用部の電気料金を20%程度削減することができます。
高圧一括受電による料金メリットをすべて共用部に還元するプランです。
マンションのエレベーターや全体の照明など、共用部分は一括受電で専有部分は低圧契約となります。

ロビーなどの共用部分に安い電気を使うことで、マンション全体にかかる電気代を抑える効果があるのです。
低圧契約の戸別住戸、こちらは戸別で電力会社と契約するタイプの契約で、低圧契約の住宅は一戸建てと同じように自由に電力会社を選択できます。

 高圧一括受電を導入すると、設備の法定点検のため、通常3年に1回の割合で1時間から2時間の停電が発生します。
このことで様々な事態が懸念されるので、総会決議においては丁寧な説明が求められます。

◎個人情報を取り扱うすべての事業者が「改正個人情報保護法」の適用対象に
「個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)」とは、個人情報を取り扱う事業者に対して個人情報の取り扱い方法を定めた法律です。
この個人情報保護法が改正され、2017年5月30日から全面施行されています。
改正法で注目したいのは、「取り扱う個人情報の数が5000人以下である事業者を法規制の対象外」としていた制度を廃止したこと。
これによって、企業だけでなく、営利・非営利を問わず個人事業主やNPO法人、自治会、同窓会なども法規制の対象となりました。もちろん、マンションの管理組合も対象となりました。

マンションの管理組合には、所有者・入居者のさまざまな個人情報が集まります。
管理組合によって違いはありますが、例えば、緊急時の連絡先を記載した組合員名簿、駐車場などを使用する場合の使用申込書、リフォームする際に求められる工事申請書、長期不在届などなどです。

・では、マンションの管理組合は、実際にどのような点に気を付けたらよいのでしょうか?
①取得・利用するときのルール
個人情報の利用目的をあらかじめ特定すること。
本人から書面で個人情報を取得する場合には本人に対して利用目的を明示すること。
個人情報を取得した場合は、その利用目的を本人に通知、または公表すること。
多くのマンション管理組合では、利用目的を明確にして個人情報を集めていると思われますが、常に検証は必要と思われます。

②保管する時のルール~安全管理措置
情報の漏洩が生じないように安全に管理すること。
管理組合で保管する提出書類や名簿を紛失等のないように適切に管理する必要があります。
古い情報を適切に消去したりする等、集めた個人情報の漏えい防止のために、適切な措置を講じる必要があります。

③他人に渡す時のルール
個人情報を本人以外の第三者に渡す時は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ること。
法令に基づく場合、生命や財産を守る場合、委託先の管理会社に提供する場合などの第三者への個人情報の提供については、本人の同意が不要とされています。
これ以外に第三者に提供する事例はそれほど多くないと思われますが、常に慎重な対応が求められます。

④本人から個人情報の開示を求められた時のルール~保有する個人情報の訂正等
集めた個人情報の内容に誤りがあった場合に、訂正するための手続の方法等を本人の知り得る状態におき、請求に応じて訂正する。
本人からの請求に応じて、個人情報を開示、訂正等をすること。
これに関するルールを定めている管理組合は少ないと思われますので、個人情報に関する問合せ先を掲示するなどのルールづくりが必要になると思われます。

・参考資料
法改正によって新設された「個人情報保護委員会」は、自治会・同窓会向けに「会員名簿を作るときの注意事項(平成29年5月)」を公開しています。

・個人情報を適切に正しく取り扱うことについては、難しいと感じる人もいるでしょう。
管理会社に管理を委託している管理組合が多いので、この機会に個人情報の取り扱い方法を、管理会社と相談しながら見直すことをお勧めします。

マンション管理は複雑多様です。そして建物も人も、取り巻く環境も絶えず変化しています。