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マンション居住の皆様へ、より良いマンション管理を目指して

~マンションの特質~

*「分譲」とは「分割譲渡」という言葉の略です。
一棟のマンションを一戸ごとに「分割」して販売しているので、分譲マンションと呼びます。
 マンションの敷地や建物には
「専有「共用」、「専用」「共有」の区別があります。

*分譲マンション生活において、管理が重要なことは言うまでもありません。
マンション管理の良し悪しが、資産価値の良否をも決定付けます。
マンション管理といっても守備範囲は広く、さらに専門知識も求められます。理解することは容易ではない。
しかし、マンション生活をする上では避けて通れません。他人任せにもできません。無知・無関心は最大の敵です。
 そこで、まず管理組合の仕組みから学びましょう。
 マンション管理の全体構成を理解せずして、円滑な組合運営はできません。

*「区分所有権」
 区分所有者は区分所有権者であり、また専有部分の所有者でもあります。
 専有部分は共用部分なくして物理的にも機能的にも存在し得ないことから、必然的に他の専有部分所有者たる他の区分所有者との交渉を持たざるを得ないことや、また当該専有部分の利用も、共用部分や他の専有部分に対する影響を考慮せざるを得ないため、通常の所有権の機能である~目的物を自由に使用収益する~ということに何らかの制約を設ける必要があります。
 このことは、区分所有法という民法の特別法を制定する理由でもあります。
 民法の特別法(民法に優先する法律)として区分所有法が制定された分けです。

*マンションの区分所有者は、マンションの維持管理に関して法律で非常に厳しい制限が課せられています。
 区分所有権の創設は、民法の所有権を大幅に変更したものです。
 マンション管理組合の組合員は区分所有者と表現されるように、一定の部分を専有(または占有)する権利を与えられているだけであることに注意しなければならない。
 区分所有者が負う義務は、団体(管理組合)に対して負う義務です。

*マンションの管理組合とは?
分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有法にもとづいて、区分所有者全員で構成された団体を設立することが定められています。この団体が管理組合です。
つまり、管理組合の構成員が区分所有者です。
管理組合の役割と目的は、建物の共用部分や敷地を維持管理することです。
区分所有法には、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる」(第3条)と規定されています。
したがって、管理組合は区分所有者の意見を十分に反映し、継続的に運営されなくてはなりません。
とくに、経理においては健全な会計が確保されることが求められます。
ただし、マンションの管理は専門的業務が多く含まれることから、管理業務の一部またはすべてを管理会社などに委託して行うことが認められています。
しかしその場合でも、管理組合がマンションの管理の主体であることに変わりはありません。

*管理組合への加入について、
マンションを購入した段階で加入は強制であり、本人の意思は関係しません。
管理組合は新築分譲マンションの契約者(区分所有者)が2人以上誕生した時点で、法律上、当然に成立します。
そして、区分所有関係が生じた段階で自動的に管理組合員になります。
すべて手続きを要せず、自然発生的に進行します。
区分所有者本人に選択の余地はありません。
区分所有法には「区分所有者は全員で、建物ならびにその敷地・附属施設の管理を行うための団体(=管理組合)を構成し(以下、省略)」とあり、法律で管理組合への加入を義務付けています。

*管理組合の目的及び法的性格
 マンション管理組合の目的は、住み心地をよくすることと資産価値を上げること
 管理組合は、マンションの分譲により区分所有関係が成立すると同時に、区分所有法上、当然に、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うため、全員が参加する団体を構成することとなる(区分所有法3条)。
 この団体の法的な性格については、区分所有法では特に定められていないが、通常は、同法に基づき、集会、規約、管理者等に関する運営がされていれば、いわゆる「権利能力なき社団」に該当し、様々な当事者能力が与えられています。
 そして、通常、このような区分所有者で構成される団体を「管理組合」と呼んでいます。

*マンションの区分所有者は、専有部分とともに共用部分の管理も行います。
 つまり、マンションの管理の主体は区分所有者全員であって、その管理を有効適正に行うために必要となってくるのが「管理組合」という団体です。
 そして、管理組合は、マンションを管理し、マンションの資産価値を維持保全し、そこで居住する者がお互いに快適な生活をするためにはなくてはならないものです。
 管理組合は区分所有者全員で組織され、区分所有者全員が入ることになっています(区分所有法3条)。マンションを購入し区分所有者となった人は、当然に管理組合の構成員となり、加入を拒否することはできません。
 その意味で、「管理組合の成立は人為的なものではなく自然発生的なものである。」ということができます。
 区分所有者の団体(管理組合)は、通常の任意、自主的編成の団体と異なり、区分所有法による法定の強制設立団体と言えます。

*マンションの適切な維持管理は、管理組合や区分所有者が積極的に取り組むべき事項です。
しかしながら、多くの人が居住する集合住宅であるマンションでは、より良い管理に向けての合意形成は
困難を呈しており、いかにして合意形成を図っていくかが、大きな課題です。
その為にも、マンション現状の「問題点を共有」し、それらの解決に向けての「共通の意識・認識」を
持つことが大切です。

換言すれば、マンション生活・運営の基本的な考察、あるべき形等の「基本的情報の共有」こそが極めて重要と思われます。

*基本的情報の一つとしてマンションの老朽化が挙げられます。
 マンションの老朽化とは、マンション建物の劣化を意味します。
 それはマンションの築年数と共に進行していきます。
 マンションが構造物である以上当然のことと言えます。
 マンションの現状がどうなっているか、それは建物の状態を常に把握しているかどうかです。
 旧耐震基準で建てられたマンションの耐震補強の必要性が叫ばれて久しいですが、これも現状把握に基づく対応と言えます。
 常に健全な状態にマンションを保つ、これは不断の努力であり、終わりはありません。
 このことの認識も大事な基本的情報の共有の一つです。

*マンションの経年化に伴う困難な課題 
 マンションを取り巻く社会情勢の変化等

居住者の高齢化、核家族化の進展による老老介護、そして一人暮らしの現実化、それに連なる孤独死が悲しい事実として懸念されます。
 賃貸化の進行による不在オーナーの増加、それに伴う無関心者の増加、それから波及する管理費等の滞納者の増加、それによる管理組合財政の圧迫など影響は拡大していきます。
 居住者の高齢化の影響の一つに役員のなり手不足が指摘されています。

 このようにマンションの高経年化により、将来的に様々の課題・問題が予想されます。
 これらはマンションの特質というより、まさに日本の社会現象と言えます。

☆「旧耐震マンション」の建築時期について
建築基準法の改正によって、建物の耐震基準が厳しくなったのを境に、それ以より前の耐震基準を「旧耐震基準」、それ以後の耐震基準を「新耐震基準」と呼びます。
 「基準が厳しくなった時期」は昭和56年(1981年)6月。
 この年の6月に建築基準法が大きく改正され、建物の耐震強度の最低基準が引き上げられました。
そのため、建築確認済証の日付が6月1日以降になっている建物は「新耐震基準」、それより前の建物は「旧耐震基準」と呼ばれることになりました。
 つまり、建築確認済証の交付がこの年の6月1日より前か後かで、基準となっている耐震強度が異なることになるのです。
 旧耐震マンションの中には、大規模修繕時などに耐震補強を施されたことで、新耐震基準を満たしているものもあります。
 早急な対応が求められています。

○法人税は企業だけではない、「マンション管理組合」にも課税される場合があります。
管理組合が建物の一部を第三者に有償で使用させて対価を得た場合、その収益事業から生じた収入には法人税が課税されます。
 管理組合は営利を目的としない非営利団体です。収益事業を行っている分譲マンションは決して多くありません。
分譲マンションは管理費と修繕積立金、そして敷地内の駐車場使用料を組合収入の柱(主な収入源)としており、こうした収入に法人税は課税されません。
駐車場使用料には課税されないと述べましたが、それは「マンション居住者に賃貸した場合」という条件が付いた場合の話です。
 近年、マイカー離れで敷地内駐車場に空きが目立つようになり、その駐車スペースを居住者以外の第三者(不特定多数)に賃貸するケースが見受けられます。これは収益事業となり、その収入には法人税が課されます。
こうした行為は法人税法上の駐車場業に該当するため、営利を目的とした行為とみなされ、管理組合には税金が課されます。

*管理組合は非営利団体ですが、収益事業から生じた収入には法人税が課税されます。
また、消費税は項目によって課税される場合と課税されない場合があります。
他方、固定資産税は一切、課税されません。

*「マンションの寿命」=「建て替えを必要とするタイミング」といえます。
建て替えたいと思った瞬間が建て替え時(=寿命の到来)なのです。必ずしも耐用年数は関係しません。
居住者ニーズが寿命を左右するわけです。われわれ人間とは異なり、マンションは「長寿を尊し」とはしないのです。

★マンション購入後にかかる費用として、
・修繕積立金
・管理費
があります。
マンションには、区分所有部分(専有部分)と共用部分が存在します。
区分所有部分は購入した人が修繕することになりますが、共用部分の修繕は、区分所有者全員から集めた修繕積立金から支払うことになります。
したがって、共用部分を区分所有者が勝手に造作することはできません。
修繕では、管理組合が修繕計画に従い修繕積立金を使います。
実際には、修繕計画通りにいくとは限りません。
自然災害などによって大規模修繕以外で修繕積立金を使う場合もあります。
修繕積立金は、修繕をするために積み立ててある資金です。
マンション売却時に、支払った修繕積立金は返ってきません。
場合によっては、修繕積立金が不足することもあります。
不足している場合には、追加費用を徴収されることになります。原則、拒むことはできません。
当然のことながら、これも返ってくることはありません。
さらに、マンションを管理するためには、共用部分の電灯、エレベーターなどの電気代、清掃費用などさまざまな費用がかかります。
その費用として、管理費というものがあります。
管理費もマンション売却時に返ってはきません。
一見不合理に感じますが、これら費用はマンション管理を支える非常に重要な費用であるということは理解して下さい。
まとめると、
・支払った修繕積立金は返ってこない。
・支払った管理費は返ってこない。
ということです。
これがマンションを購入し、管理組合員・区分所有者になるということです。

○管理組合とは「区分所有者が全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(区分所有法第3条)」のこと。
日常の様々な業務、例えば共用部の清掃や設備の保守点検などは管理委託契約に基づいて管理会社が実施するが、その管理会社に指示をするのが管理組合なのです。
ですからマンション管理の主体は管理組合であり、管理会社の良し悪しは管理組合如何と言えます。
全ての最終責任は管理組合が負います。

○マンション管理と資産価値の関係
マンションは動かない資産であり、立地に関しては、外的要因は自身で何とかすることはできません。
一方マンションの管理に関しては、居住者の意識如何によって対応可能です。
つまりマンション管理は内的要因です。これは管理がしっかりすることで資産価値は維持できます。

▼マンションの空き家は、傍からはわかりません。
気が付いたころには「管理組合で所有者がわからない空室があった」なんてことにも。
人口減少、少子高齢化を前に、中古マンション市場のストックは積みあがるばかり。
「売れない」「貸せない」マンション空き家は今後、全国で着実に増えてくるでしょう。

▼「負動産」とは
 流動性が著しく劣る不動産は、いわゆる“負動産”と言える。
 分譲マンションにおいても、築50年を超えるような建物は老朽化とともに居住者も高齢化し、その結果「空室」が増えてくるのは避けられない。
 空室のままにしても固定資産税と維持費はかかる。
 売ったり、貸したりしたくても‘建物の質’や‘立地面’で問題のある物件は需要がないと言えます。
 空室の増加は個人の負担を増やすだけに留まらず、マンション全体の資産価値を大きく落とす。
〔日本は世界のどの国も経験したことのない、急激な人口減少と高齢化に直面している。〕

○マンションを購入される方々は、ローンを組んでやっと手に入れた「部屋」を自分だけの所有物だと思っている。
「マンションの共有とは」
 マンションというものは、「共有部分」と呼ばれる玄関、廊下、屋上、集会所以外の「専有部分」と呼ばれる居住者が住む部分も、事実上「共有」されているのです。
例えば、マンションの躯体部分を阻害するような部屋のリフォームは許されていません。
マンションというものは1棟単位で成り立っているのであって、各部屋というのは「概念上独立」しているに過ぎないのです。
つまり、不動産としての本来の価値は、各部屋ではなく、マンション1棟で考えるべきなのです。
そして、このマンション1棟の財産価値を決めるのに決定的役割を果たすのが「管理組合」なのです。

▲マンション資産価値「激減」の恐怖、逗子の斜面崩落・武蔵小杉タワマン水害等
災害に強いとされてきたマンションが、被災を機に資産価値を一気に損なう事態が頻発しています。
では、災害に弱い物件を見抜くには、どうしたらよいのか。
  国土交通省がウェブサイト上でサービスを提供する
「ハザードマップポータルサイト」は、国や自治体などの防災情報に基づき、ピンポイントでその場所が抱える災害リスクを誰でも地図上で調べることができます。
「土砂災害」だけでなく、「洪水」や「津波」といった様々な災害リスクを重ねられるため、非常に有用です。
これら情報を活用することも必要です。













 田中喜藏

マンションは「安心安全の終の棲家」でありたい。